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2013年12月25日水曜日

韓劇.com 雑誌「ザ・ミュージカル」1月号販売と年間購読受付

昨日、ツイッターで発表しました、韓国ミュージカルと演劇情報を中心としたWebマガジン、
「韓劇.com」を1月にオープン致します。

これまで、当ブログとツイッターを使って情報発信してきましたが、韓国ミュージカルや演劇ファンの皆さんのニーズに答えられるWebサイトがあったらいいな、と思い準備を進めてまいりました。
大企業が運営する情報サイトに比べると、至らない部分が多々あると思いますが、韓劇ファンの皆さんに楽しんでいただけるようなサイト作りを目指します。応援よろしくお願いいたします!


韓劇.comのオープンに向けた、イベント第一弾として、韓国で唯一無二のミュージカル専門雑誌、
「ザ・ミュージカル」の1月号限定販売受付と、年間購読受付を開始します。


1月号に掲載されるグラビアを1枚だけ先行公開。写真はたくさん掲載されていますよ!

1.「ザ・ミュージカル」1月号 100部限定発売
   (キム・ジュンス インタビュー日本語翻訳つき)

現在、ミュージカル「ディセンバー」に出演中のJYJキム・ジュンスさんのインタビュー記事が掲載される1月号に、インタビュー日本語翻訳を特別につけて限定販売致します。

●価格=1冊 1,300円(税・送料・手数料込)

  • 購入はお一人様2冊まで。2冊ご購入の方は1,300円×2=2,600円となります。
  • 代金入金は、日本国内の銀行へ振り込みでお願いします。(送金手数料は購入者負担)
  • 購入申し込み受付後の数量変更、キャンセルは不可です。

●発送
   送料を抑えるため、保証なしの国際印刷物郵便でお送りします。(EMSは不可)
   発送は12月末を予定。日本の普通郵便同様、発送から到着まで日にちを要しますので、
   日本への到着は1月上旬を予定しています。
   年始に長期間自宅を不在にされる方は、受け取りできる方の住所にお申込みください。

●受付日時と方法

   12月26日(木)午後8時から受付開始~(100冊受注終了まで)
   韓劇.comの公式ツイッターにて、午後8時に1月号限定受付フォームのURLを公開。

   受付フォームに入力(名前や連絡先などの間違いがないようにお願いします)

   受付終了後、受注完了および、入金方法の詳細をメールにてご連絡します。

   入金期日までに銀行振り込み後、入金完了の旨、メールにてご連絡ください。

   入金確認後、発送致します。(発送完了後、皆様に一斉連絡メールをお送りします)


●ご注意
ご指定の住所に発送完了後は過度な雑誌の破損がある場合を除き、再発送などの保障行為は一切致しません。また、購入者様のご都合で受け取り出来なかった場合も同様です。

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2.「ザ・ミュージカル」年間購読受付

韓国のミュージカル俳優インタビューや最新情報などを楽しめる月刊「ザ・ミュージカル」の年間購読受付も開始します。単独で購入するよりも、年12冊をかなりお得な金額で入手できます。
1月号からお申込みいただいた方には、キム・ジュンスのインタビュー日本語翻訳を特別に同封。


●価格=1口(年12冊) 12,500円(税・送料・手数料込)

  • お一人複数冊ご希望の方も、1口×ご希望冊数でお申込みください。
  • 代金入金は、日本国内の銀行へ振り込みでお願いします。(送金手数料は購入者負担)
  • 年間購読申し込み受付後の数量変更、キャンセルは不可です。

●発送
   送料を抑えるため、保証なしの国際印刷物郵便でお送りします。(EMSは不可)
   発送は毎月末を予定。日本の普通郵便同様、発送から到着まで日にちを要しますので、
   日本への到着は毎月上旬となります。
   普通郵便同様、ポスト投函です。受け取りに支障が出ないご住所でお申込みください。

●受付日時と方法

   12月26日(木)午後8時から受付開始
   ※1月号からの年間購読をご希望の方は、12月29日(日)までにお申し込みください。
    12月29日以降にお申込みの方は、2月号からの年間購読となります。ご注意ください。

   韓劇.comの公式ツイッターにて、午後8時に年間購読専用受付フォームのURLを公開。

   受付フォームに入力(名前や連絡先などの間違いがないようにお願いします)

   受付終了後、受注完了および、入金方法の詳細をメールにてご連絡します。

   入金期日までに銀行振り込み後、入金完了の旨、メールにてご連絡ください。

   入金確認後、年間購読を開始。12カ月間、毎月一回、発送致します。


●ご注意
・年間購読有効期間中、途中終了をご希望の場合も返金は致しません。
・年間購読(年12冊配送)が完了後は自動終了となります。
 継続して年間購読をご希望の方は終了月の前に再度お申込みください。
・インタビュー記事の翻訳がつくのは1月号のキム・ジュンスインタビューのみです。
 2月号以降は雑誌のみの発送となります。
・ご指定の住所に発送完了後は過度な雑誌の破損がある場合を除き、再発送などの保障行為は
 一切致しません。また、購入者様のご都合で受け取り出来なかった場合も同様です。



以上のお申込み要綱を熟読いただき、お申込みいただければ幸いです。
ご質問がありましたら、コメント欄よりお願いいたします。

なお、韓劇.comのオープン以降は、サイトにて専門受付ページを作り、毎月「ザ・ミュージカル」最新号の単号販売と、年間購読受付を実施予定です。サイトオープン後は是非ご利用ください!

これからも、韓劇.comをよろしくお願い致します。

主催:さいきいずみ


2013年12月1日日曜日

ミュージカル「太陽を抱く月」観劇モニターチケット当選者発表!


いよいよ12月12日(木)からスタートする超新星ソンジェ主演の韓国ミュージカル「太陽を抱く月」。
この作品のチケット販売サイト、楽天チケットの特集サイト⇒詳しくはこちら
にて、「太陽を抱く月~小説・ドラマからミュージカルへ」というコラムを寄稿しました。

私のブログおよび、ツイッターには韓国ミュージカルファンが多数来訪いただいているということで、
特別に観劇モニターチケットを主催者からご提供いただけることになりましたヽ(^o^)丿

2013年度の来日韓国ミュージカルの最後を締めくくる作品をいち早く観られるチャンスです!
コラムの最後にも書きましたが、ドラマ、K-POP、ミュージカルファン……に限らず(笑)
より多くのみなさんのご応募をお待ちしています!


<韓国ミュージカル『太陽を抱く月』 観劇モニターご招待>
(1組2名様)

  ●招待日時:12月12日(木) 昼公演(13時開演)
  ●会場:東京・青山劇場 (⇒劇場アクセス

  ●応募条件:ブログやツイッター、facebook, mixi などを日頃から活用されている方。
          観劇後、その日中にご自身のサイトやSNSに感想やレポートの
          アップをお願いします。
 
  ●応募方法:Eメールアドレス 2013moonsun@gmail.com へ、
          件名に 『太陽を抱く月』モニター応募 と記載の上、
          下記を内容をメールに表記してご応募ください。
   ●応募は締め切りました!●
    ※当選発表は当記事の一番下をご覧ください。

    1.お名前
    2.ご住所
    3.メールアドレス
    4.ご自身のブログ、ツイッター等のアドレス、
    5.当選発表の際に使ってほしいハンドルネーム
    6.今回のモニター募集を知ったサイトあるいはブログ、ツイッター名⇒(韓劇日誌)

   ●当選発表:12月4日(水)
           当ブログ(韓劇日誌)上にて、ご応募いただいた方のハンドルネームにて
           発表させていただきます。

   ●ダブルチャンス:惜しくも落選された方にも、チケットを優待価格で購入できる
               特別ご優待メールを主催者様よりお送りいたします。


今回の「太陽を抱く月」日本公演は、韓国で今年初演されたバージョンとは、主演陣が変わっているので、どんな仕上がりになっているのか、私も気になっているんですよね~。韓国でご覧になった方は、見比べてみるのも一興かと思います。帰国して見に行くことができないのが残念(´・ω・`)
何なら、私がモニター応募したいくらいです(笑) 皆さんのご応募をお待ちしています~!!!

●当選者発表!●
たくさんのアクセスと、ツイッターでの情報拡散にご協力いただきありがとうございました!

当選者はハンドルネーム 「ハルセ」 さん に決まりました!
おめでとうございます!ヽ(^o^)丿
※ハルセさんには、主催者様から直接当選確認の連絡をお送りします。

また、惜しくも当選が叶わなかった方にも5日~6日までに優待価格チケットのご案内メールが届きますので、もうしばらくお待ちくださいね!

今回、初めてこのような企画に参加させていただきましたが、これからもっと日本で韓国ミュージカルに興味を持ってくださる方が増えるといいなと思っています(^^)
ありがとうございました! 


2013年10月17日木曜日

「ONE DAY, MAYBE いつか、きっと」―① Introduction

















“光州事件”をモチーフにした、英国人アーティストの作品を日韓英共同制作で上演するパフォーマンスに縁あってお誘いいただき、9月上旬、最初の公演が行われた光州(광주)に見に行ってきました。
11月に高知と金沢で日本公演を予定している、この貴重なパフォーマンスを、ひとりでも多くの方に見てほしいなと思い、光州で体験してきた印象をレポートします!

作品のタイトルは
「ONE DAY, MAYBE いつか、きっと」作品公式サイト(3カ国語)
(韓国語タイトルは「ONE DAY, MAYBE 언젠가」)

Site-Responsive Performance(場の特性を活かしたパフォーマンス)を、ヨーロッパ各地を中心に展開している「dreamthinkspeak」を主宰するトリスタン・シャープスさんを中心に、オーディションで選出された日本と韓国の出演者と、両国のアートシーンを牽引するスタッフが共同制作した体験型アートパフォーマンスです。
↑この方がトリスタンさん。コメントは光州の街中で撮影されております(日本語字幕切替可)

 アートパフォーマンス? 光州事件? よく分からないけど何だか難しそう? と上の映像を見て思いませんでしたか?(私は思いましたよw) でも、実際体験すると、こ・れ・が、なかなか面白い! 実はトリスタンさんは過去のパフォーマンスを動画などで公開したりしていないそうなんですが、オーディエンスに「実際に見て、体験してもらいたい」からだそうなんですね。そのモットーは、私自身が体験して「なるほど!」と納得しました。ですので、興味を持たれた方は構えることなく「頭を真っ白にして」公演を見に行かれることをおすすめします^^

 しかし、この作品の根幹にある「光州事件」についてご存知の日本の方はどれくらいいるでしょうか? 私自身もきちんとこの事件の内容を把握したのは、韓国関連の仕事を始めてからでした。このパフォーマンスを見るにあたり、事件について知っているのと知らないのでは印象がずいぶん変わると感じたので、私もまだまだ勉強不足ですが、まずは簡単に紹介してみようと思います。

 韓国では歴史的事件を、日にちの数字で呼ぶことが多いため、韓国では「5.18(オーイルパル)」と言えば「光州事件」のことを指します。「5.18光州民主化運動(5.18광주 민주화 운동)」というのが正式な呼称。1980年の5月18日に民主化を求める光州市民と軍が衝突し、多くの死傷者を出した事件です。

 韓国映画やドラマ、そして演劇など韓国の近代史を扱った作品ならば、避けて通れない出来事のひとつ。この時代のことを知っておくと、さまざまな物語への理解が一層深まると思います。
「光州事件」にまつわる作品で、特に代表的なのが以下の3作。(各タイトルはAmazonにリンク)

(イ・チャンドン監督/99年/主演:ソル・ギョング)
光州事件をきっかけに時代に飲み込まれてしまった男の人生を回顧する作品。
個人的に初めて見た韓国映画はこの作品でした。ソル様、お若い^^


(キム・ジフン監督/07年/主演:アン・ソンギ、キム・サンギョン)
「木浦は港だ」「第7鉱区」「ザ・タワー~高層ビル火災」のキム・ジフン監督が、
市民の目線で事件を正面からドラマチックに描いた作品。イ・ジュンギも出てます。

ドラマ「砂時計」
(キム・ジョンハク監督/95年/主演:チェ・ミンス、パク・サンウォン、コ・ヒョンジョン)
 平均視聴率が50%を超えた国民的ヒット作。韓国語で砂時計のことを모래시계(モレシゲ)というのですが、当時、放送時間になると街から人がいなくなったそうで「帰宅時計(귀가시계)」とも呼ばれていたそうです。主演の3人が、未だにカリスマ的支持を得られているのはこの作品のため。
今年、惜しくも亡くなられたキム・ジョンハク監督によるニュース映像を盛り込んだ、リアルな演出はかなり斬新で、独特の悲哀を感じるBGMは一聴すれば韓国の人ならば誰もが知っているメロディー。今でもバラエティなどで良く使われています。最近でも、ドラマ「紳士の品格」でもチャン・ドンゴンほか男友達4人が学生時代にハマったドラマとして出てきていました。

3作いずれも、作品自体とても素晴らしいので、光州事件を学ぶには良い素材ですよ^^


観光ガイドブックと光州公演のフライヤーなど
今回光州を初訪問して改めて感じたのは、負の歴史を背負った街というよりも市民がプライドを守り通し、民主化へ向かうきっかけになった出来事が起きた街、と捉えられていたことでした。
事件に関連した場所を観光資源にしていて、日本語や英語、中国語のガイドマップや解説本など充実しています。観光案内所で無料配布されているので、今後光州を訪れる方はぜひ活用してみてください。


滞在が1日と短かったので、観光スポットのなかで、5.18記念会館と記念公園、旧道庁前広場だけ見ることができました。(天気が悪く、写真がよくないですがご了承を)

「5.18記念文化館」に展示してあった旧道庁前広場の80年当時の写真(左)と、現在(右)





5.18記念公園の地下にあるレリーフ。反対側には犠牲者名簿が壁に刻まれている




5.18記念公園を象徴する銅像。後ろから眺めると
自由に向かっている若者たちのようにも見える
















市内の主要な観光スポットを経由するバスは、なんと番号が「518」番!
観光ウォーキングガイドに載っていた観光コースの名前が、「5月人権の道~魂コース」とか「5月民衆の道~市民軍コース」とか、結構すごいネーミングで衝撃を受けましたが(笑)

●VISIT KOREA
●KONEST
でも光州のガイドページがありますよ。

光州は、現代アートシーンでは
アジア最大級の
「光州ビエンナーレ」⇒公式サイト を
2年に1回、偶数年に開催していることでも知られています(次の開催は来年)。
「Asian Culture Complex」
⇒公式サイト という、アジアの現代アートの拠点となるような巨大施設が2015年オープン予定。「ONE DAY, MAYBE いつか、きっと」は、そのオープンに向けたプレイベントのひとつとして行われたんですよ。 いま、旧道庁前広場を中心にした大規模工事が行われていて、工事中のフェンスやテントにはグラフィティからハンドペインティングまで、いろんな絵が描いてありました。(写真上)殺風景にならないよう工夫がしてあるのは、さすがアートの街! 加えて、昔ながらの市場、大仁(デイン)市場の中には、あちこちにギャラリーやアートスポットがあったりするんです。

魚や肉を売っている横でアート作品を展示している、このカオスたるや!

大仁市場の中にある「Ugro」というギャラリーカフェ
食堂にもカワイイ絵が描いてあったり、ハンドクラフトギャラリーがあったり。




 韓国の古き良き空気を色濃く残している一方で、今やアジアの現代アートの拠点となっている光州。このユニークな街で、英国のアーティストが、韓国の近代化の礎を築いた「光州事件」をアートパフォーマンスにする――。
よ~く考えると、なかなか凄いことだと思いませんか?

そのパフォーマンスの様子を、⇒次のページでご紹介します!

「ONE DAY, MAYBE いつか、きっと」―② Performance


「ONE DAY, MAYBE いつか、きっと」の光州公演は
9月3日~15日に旧・光州女子高等学校の
体育館と校舎を使って行われました。

 光州女子高等学校は、1923年開校という、90年の歴史をもつ学校なのですが、2010年に新校舎に移転したそうで、現在は使われていません。光州公演は、この旧校舎の施設を生かしつつ、部屋やフロアごとに新しい体験ゾーンに入る、ミニツアーのようになっていました。

 観客はチケットを受け取ったあと、待機する部屋に通されてガイド役の女優さんから説明を受けました。その後、みんなでゾロゾロと校舎に移動して行ったのですが、ショッピングカートを引いた、腰の曲がったおばあちゃんが見に来ているなぁと思ったら、後でそのおばあちゃんが役者さんだったと分かってビックリ!(笑)
ポスタービジュアルにも登場している、このおばあちゃんはこの作品の中で重要な役割を担っているんです。
旧・光州女子高等学校。会場となった左の青い屋根の建物は体育館、右のレンガ色の建物が教室
以下、光州公演の一部を写真でご紹介します。

 光州公演に参加していたのは日本と韓国の俳優さん30名弱。
ガイド役の女性もふくめ、台詞のほとんどが韓国語でしたが、時々日本の俳優さんが日本語を発する場面がありました。高知・金沢公演では、逆に日本語メインで進行されるそうです。

 パフォーマンスを見た印象ですが、意外とストレートでダイレクト。
例えば、私たちアジアの人間がまったく文化圏が違う欧米に行ったとき、地元ではベーシックなことでも新鮮だったり、驚くようなことって結構ありますよね? その逆で、トリスタンさんの眼には新鮮に映ったと思われる、さまざまな韓国を象徴するキーワードが盛り込まれた公演でした。
 現代の韓国社会は明洞に象徴されるコスメとカフェとファストファッションのお店が並ぶ繁華街の賑やかさや、K-POPアイドルたちの活躍、韓流ドラマ人気の定着など、表向きには明るく華やかに、ものすごい勢いで変化しながら発展しています。しかし、ここに至るまでには、光州を筆頭に、民主化運動に尽力した人、罪もなく命を落とした一般市民たちなど、多くの人の魂を犠牲にして成り立っているんだ、という近代韓国の「光と影」が切り取られた内容だと感じました。
 でもこれは別に韓国だけの話ではないと思うんですよね。日本も、世界のどの国でも同じではないでしょうか? トリスタンさんがディレクターズ・ノートでも語っているように、近年の「アラブの春」⇒Wiki参照 と同じように光州事件に衝撃を受けたというのも分かるような気がします。

 光州公演で、実は大きな役割を果たしていたのが、会場であるレトロな造りの校舎と施設。効果的な照明と相まって、光州事件当時の空気を感じられるように活用してあったのが印象的でした。
11月2日から始まる高知公演では夜の県立美術館が、11月28日から始まる金沢公演では美術館とタテマチストリートが会場になるそうです。それぞれに施設もシチュエーションも違うので、まったく違うパフォーマンスになるのでは? と予想しています。
 上で紹介した写真のようなシーン以外にも、実はあっと驚くような仕掛けや楽しい体験ができるコーナーがあったりもして、「次はどんな体験をするんだろう?」とずっとワクワクドキドキ! まるで時間も国も飛び越えた異空間に足を踏み入れたような、不思議な体験ができると思います。そして、観終わった後にはいろんなことを考えさせられる――。とにかく、こんな公演は滅多に見られないと思うので、興味を持たれた方や、お近くにお住まいの方は「見に行って・体験して」欲しいなと思います。

光州公演の情報を検索していたら、MBCニュースで紹介された映像が出てきました。
ほんのちょっとですが、公演の様子がご覧いただけます。


「ONE DAY, MAYBE いつか、きっと」

【高知公演】
日程:11月2日(土)~11月9日(土)
会場:高知県立美術館・創作室出入口
※料金・チケット販売の詳細は⇒高知公演公式サイト

【金沢公演】
日程:11月28日(木)~12月8日(日)
会場:金沢21世紀美術館 シアター21・タテマチストリート
※料金・チケット販売の詳細は⇒金沢公演公式サイト



2013年10月6日日曜日

韓国ミュージカル&演劇 10月‐11月のオススメ作品

秋夕連休が過ぎてから、韓国は急に涼しくなってきました。
とくに夜はかなり肌寒くなってきています。これから来韓を考えている方は、ジャケットやスカーフなど、脱ぎ着して温度調整できるはおりものを持ってお越しくださいね。
これから冬にかけて、良質な新作が充実してくる時期。現在、新しい情報が続々解禁中ですので、発表され次第、随時情報を追加していきます。

では、解説長~~いですが、10月~11月のオススメ作品をご紹介します。


12月スタートの「ウェルテル」はイム・テギョンとオム・ギジュンの2トップで上演!来年3月には来日公演も。


以前からお願いしておりますが、全ブログ記事の商用記事、サイトへの流用は禁止です。
個人ブログへの無断コピーもご遠慮いただけますようお願いします。


作品のタイトルにはすべて韓国のチケットサイト
インターパーク(인터파크) http://ticket.interpark.com/ のリンクを張っています。
詳細情報はリンク先(韓国語)でご確認ください。

日本からチケットを直接買えるのは

VISIT SEOUL (ソウル市観光情報サイト)

●インターパークグローバル(英語版) (日本語版)

※現在は大型作品や話題作のみ直接購入できます。中・小劇場ミュージカルや演劇は、よほどの人気作でない限り、売り切れることは稀ですので当日劇場に行って買えると思います。

※大学路で上演される中小劇場作品は、地下鉄4号線・恵化(ヘファ)駅の4番出口を出てすぐのところにある、「ソウル演劇センター」か、2番出口を出てすぐのところにある「良い公演紹介所」では、ディスカウント価格で当日券を買えるチケット販売所があります。(大学路で上演しているすべての作品を扱っているわけではありませんので要注意)


<10月上演のオススメ作品>
※作品の並びは公演終了日が早い順です。
再演の作品など、私が見たことがある作品は、個人的オススメ度を5段階の★でつけています。

=========【大劇場ミュージカル】=========

「ボニー&クライド」
上演中~10月27日 忠武アートホール大劇場
出演:オム・ギジュン、ハン・チサン、Key、パク・ヒョンシク、アン・ユジン、リサ、ダナほか
⇒1930年代に実在したギャング、クライド・バロウとその恋人ボニー・パーカーの物語。日本でも田代万里生&濱田めぐみ共演で昨年上演されました。先日のプレスコールで見た印象だと、登場人物たちのクラシックなアメリカの空気が感じられる衣装やメイクが印象的で、大人のカップルの物語だけに(?)キスシーンやセクシーなシーンが多かったです。観劇前に、映画「俺たちに明日はない」をご覧になっておくと、ストーリーを理解しやすいと思います。
プレスコールでは何気に、ボニーに片想いする警察官テッド役のキム・ボムレのソロが良かった。普段はアクの強いキャラが多い彼が、ベーシックな役もちゃんとできることを見せてくれていますよ。

「ノートルダム・ド・パリ」
上演中~11月17日 ブルースクエア サムソン電子ホール
出演:ホン・グァンホ、ユン・ヒョンリョル、パダ、ユン・ゴンジュ、マイケル・リー、チョン・ドンソク
⇒15世紀のパリを舞台に、ジプシーの娘エスメラルダを巡る3人の男たちの愛と葛藤をドラマチックに描く大作。韓国ミュージカルの隆盛期、2007年から上演。ミュージカルファンには特に人気の高い作品のひとつなんですが、一筋縄ではいかない恋路を描いたストーリーは韓国ドラマなどでもよくあるシチュエーションなので、韓国の人たちがこの物語にカタルシスを覚えるのも分かります(笑)
 キャストは、この作品に初演から出演しつづけ名を上げたユン・ヒョンリョルに、今回初出演となるホン・グァンホが加わり、史上最強の鐘つき男カジモド役が揃いました。
 プレスコールで見た印象だと、大きな輪に繋がれて回るカジモド、天上から釣られているセットの上で歌うクロパン、大きな袋(!?)に吊り上げられるグランゴワールなど、アクロバティックなシーンが多いです。そして、とにかく歌が下手な人は一人もいません! 大がかりなセットやアクション、実力派俳優の演技と歌声、と見ごたえある作品なのは間違いないですよ。

「ヨセフ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」
10月29日~12月12日 ユニバーサル・アートセンター
出演:チョン・ドンハ(復活)、パク・ヨンス、キム・スンデ、ヨソプ(BEAST)ほか
⇒原題は「ヨセフ・アンド・ザ・アメージング…」と、and the が入りますが、韓国題は抜いてあります。
「ジーザス・クライスト・スーパースター」を生んだ、アンドリュー・ロイド・ウェーバー&ティム・ライスコンビが学生時代に旧約聖書の「ヨセフの物語」をベースに創作。11人兄弟の末っ子として生まれ、父ヤコブに最も可愛がられたヨセフが、他の10人の異母兄弟に妬まれ隊商に売られた後、さまざまな受難を経て成功をつかんでいく物語。今年春に韓国初演して、スコアもいいしアンサンブルのレベルも素晴らしかったのに、今一つ集客できず残念に思っていたのですが、キャストを替えて、なかなか良い感じの顔ぶれです。今度はもう少し多くの人に見てもらえるんじゃないかな。「JCS」にハマった方なら、見ておいて損はないと思いますよ。★★★★
※当初発表されていた公演日程、劇場が変更になっています。ご注意を~!

「ガイズ&ドールズ」 
11月1日~2014年1月5日 BBCシアター
出演:キム・ダヒョン、リュ・スヨン、ソン・ウォングン、キム・ジウ、イ・ハニ、イ・ユル
⇒賭博師ネイサンに話を持ち込まれ、プレイボーイのスカイは、真面目な伝道師の娘サラを口説けるか賭けをする。はじめは勝負に勝ちたいだけだったスカイだったが、だんだんと純粋なサラに惹かれていき……。1920年代のNYを舞台に、賭博師と伝道師の娘、という正反対の世界に住む男女の恋を軽快な音楽とダンスを交えてて見せるラブコメディ。韓国語タイトルは「お嬢さんとごろつきたち」ということで、このタイトルのほうが内容をストレートに表していますね^^ かつてはリュ・ジョンハン、キム・ムヨルなどが演じたスカイ役には現在MBCのドラマ、バラエティで活躍する3人が、ヒロインのサラ役の2人も、ドラマにも出演している女優ということで、知名度ある俳優で固めてあるので盛り上がりそうですね^^

「ラ・マンチャの男」 
11月19日~2014年2月19日 忠武アートホール大劇場
出演:チョ・スンウ、チョン・ソンファ、キム・ソニョン、イ・ヨンミ、ソ・ヨンジュ、チョン・サンフン
⇒韓国では「ジキル&ハイド」と並んで、不動の人気を誇る英雄譚。投獄された劇作家セルバンテスが、自分が書いた脚本を処分されるのを防ごうと、囚人たちに役を与えて“獄中劇”を上演します。そこで登場するのが田舎の老騎士キハーナ(ドン・キホーテ)と従者サンチョ。そしてキハーナがお姫様“ドルシネア”と妄想する、売春婦のアルドンサ。騎士道精神を貫こうとするキハーナとサンチョコンビの活躍は、コミカルで楽しいシーンが満載です。今年は2007年の来日公演以来となる、チョ・スンウ&チョン・ソンファがW主演、アルドンサ役のキム・ソニョンも2007年来日公演に出演していました。もう一人のアルドンサ役イ・ヨンミ、サンチョ役のチョン・サンフンは今年初出演ですが、観客の期待に必ず応えてくれるはずです^^

「ウィキッド」 
11月22日~ シャーロッテ劇場
出演:オク・チュヒョン、パク・ヘナ、チョン・ソナ、キム・ボギョン、イ・ジフン、チョン・サンウン
⇒昨年、オリジナルプロダクションの来韓公演が、完売に次ぐ完売で爆発的ヒットとなった作品が、いよいよ韓国キャストで初上演です。日本では劇団四季の上演で、すでにおなじみの作品ですね^^
 緑色の顔で、周囲から疎まれていたエルファバとお姫様のようなブロンド美女グリンダが大学に入学して、寮のルームメイトとなります。序盤はアメリカの学園ドラマそのままのストーリーなんですが(笑)「オズの魔法使い」がベースになっているため、後半、自らの能力に覚醒していくエルファバの描写は圧巻です。エルファバ、グリンダともに役にピッタリの女優陣。イケメン王子フィエロ役を「エリザベート」のルキーニ役が絶賛されたイ・ジフンと、「レミゼ」のマリウス役を1年間一人で演じ通したチョン・サンウンという人気上昇中の2人が演じるのも注目です。
※現在発表中の日程は1次販売分です。

「ゴースト」 
11月24日~12月22日 D-CUBEアートセンター
出演:チュウォン、キム・ジュンヒョン、キム・ウヒョン、IVY、パク・ジヨン、チェ・ジョンウォン
⇒デミ・ムーア&パトリック・スウェイジ主演で1990年に公開された映画「ゴースト/ニューヨークの幻」を英ウエストエンドでミュージカル化した作品が、韓国キャストで初演されます。もうミュージカルには戻ってこないかと思っていたチュウォンが久々に舞台復帰。ほか、日本版「レミゼ」バルジャン、キム・ジュンヒョン、韓国版「レミゼ」アンジョルラス、キム・ウヒョンと旬な男優が究極の二枚目を演じます。ヒロインは大作の主演が続くIVYと「レミゼ」のエボニーヌ役が好評だったパク・ジヨン。例のバックハグ陶芸シーンとかあるんでしょうねぇ(笑)

「マンマ・ミーア」 (来韓公演)
11月26日~2014年3月23日 ブルースクエアサムソン電子ホール
⇒70年代ポップスの金字塔、ABBAの大ヒット曲でつづるジュークボックス・ミュージカル。ギリシャのホテルオーナーの娘が結婚することになり、母親に内緒で父親候補(?)とされる3人の男性を招待したことで起こる騒動が楽しく描かれます。韓国で「マンマ・ミーア」上演10周年となるのを記念した、オリジナルプロダクションの来韓公演となります。


========【中・小劇場ミュージカル】=========

「キム・ジョンウク探し」(邦題:あなたの初恋探します)
上演中~オープンラン プティツェルシアター(旧カルチャースペースNU)
⇒2006年の初演から多数の人気俳優を生んだ登竜門的作品であり、「あの日々」「兄弟は勇敢だ!?」を生んだ作・演出のチャン・ユジョンの出世作でもある小劇場ミュージカルの代表作。超新星のユナク主演の来日公演が11月に行われます。
 物語はヒロインがインド旅行中に知り合い恋に落ちた“キム・ジョンウク”という男性を探すために、「初恋探し探偵事務所」を始めたばかりの男(役名は俳優自身の名前を使います)に依頼するところからスタート。出演者は3人のみで、男性主人公はジョンウクと探偵の一人二役、それにヒロイン役と、“マルチマン”と呼ばれる20人以上のいろんな登場人物を一人でこなす男優が出演します。
このミュージカルを原作にチャン・ユジョン自身の監督により映画化された「あなたの初恋探します」には歴代出演者や舞台俳優が多数カメオ出演するので、予習に見るのは楽しいんですが、舞台版とはだいぶ違う部分がありますのでご注意を。★★★
※当初の予定から公演期間が延長されました。

「パルレ(洗濯)」
10月11日~11月30日 大学路アートワンシアター2館
出演:チョン・ムンソン、キム・ギョンス、イ・ジュニョク、イ・ギュヒョン、クァク・ソニョン
⇒日本版も評価が高い、韓国の“情”を感じることができる名作です。田舎からソウルに上京して書店員として働くヒロイン、ナヨンと、不法滞在しながら工場で働くモンゴル人青年ソロンゴの恋と人間模様が温かく描かれます。昨年2000回公演を超え、今年で8年目。過去にはホン・グァンホ、キム・ジェボム、ソン・ドゥソプなどの人気俳優を輩出しています。10月から始まる第14シーズンは、ソロンゴ経験者のチョン・ムンソン、イ・ジュニョク、イ・ギュヒョンと、人気俳優が戻ってきます。★★★★★

「ブラック メリー・ポピンズ」
上演中~10月27日 東国大学イ・ヘラン芸術劇場
出演:キム・ジェボム、イ・ギョンス、パク・ハングン、ユン・ソホ、キム・ドビンほか
⇒ドイツの著名な心理学者の研究対象として養子縁組された4人の少年少女。ある日学者の邸宅が大火災となるも、4人の乳母であるメアリー・シュミットは子供たちを救出。しかしメアリーは翌日忽然と姿を消してしまい、子供たちは散り散りに養子にもらわれていく。それから4年後、再会した4人は…。
タイトルから海外のライセンスものかと思われがちですが、韓国オリジナルのサスペンスミュージカル。
昨年の初演では、独特の曲の旋律と振付が印象的で、ミステリー作品としても面白い作品でした。
今年は「風月主」「兄弟は勇敢だった!?」などの来日公演にも主演したキム・ジェボムが、ストーリーテラーも兼ねた長男ハンス役に。「女神様が見てる」「スリル・ミー」「バンジージャンプする」と話題作に次々と出演している若手注目株のユン・ソホが次男ヘルマン役など、初演とはキャストが総入れ替えとなっています。昨年よりも振付の部分が減り、ミュージカルというより歌つきの演劇という印象がより強くなりました。後半の畳み掛けるような種明かしがなかなかスリリングです。★★★☆
※当初の予定から公演期間が延長されました。

「オー!あなたが寝てる間に」
上演中~10月31日 大学路芸術広場1館
出演:イ・ヒョン、イム・ジョンワン、パク・セウン、アン・ドゥホ、カン・ジョンウ、チェ・ソヨンほか
⇒「女神様が見てる」「劇的な一夜」などの人気作を生んだヨヌ舞台が初めて制作した小劇場ミュージカル。「あの日々」「兄弟は勇敢だった!?」「キム・ジョンウク探し」の作・演出チャン・ユジョンが名を上げるきっかけとなった作品で、2005年から定期的に上演しています。カトリック財団が運営する無料病院に入院していた半身不随の男性患者が忽然と失踪。院長、医師、ボランティアの女性、患者たちが抱える背景を描きつつ、男性が失踪した原因を探っていきます。過去にキム・ジェボム、シン・ソンミン、チェ・ホジュン、イ・ギュヒョン、チュ・ミンジンなど現在大学路で活躍中の俳優たちが出演していた作品で、コミカルな物語のなかにも、韓国のリアルな社会問題を盛り込んだ話になっています。★★★

「トライアングル」
上演中~11月10日 サンミョンアートホール1館
出演:キム・ジョング、チョン・ムンソン、イ・ギュヒョン、キム・デジョン、チョン・ウスほか
パルコ劇場で上演された「トライアングル~ルームシェアのすすめ」が原作。2010年にチェ・ジェウン、キム・スンデらが出演して韓国版を初演したのですが、それから3年ぶりに再演です。
作家志望の青年とその隣に住むロックミュージシャンの男、そしてその男を追いかけるストーカーの女の子が一緒に住むことになって起こるドタバタを楽しく描きます。今年のキャストは大劇場作品でも活躍する上手い役者が揃っていて、誰の回で見ても面白そうです。★★☆

「印塘水(インダンス)愛歌」
上演中~11月3日 弘益大 大学路アートセンター 大劇場
出演:イム・ガンヒ、ユ・リア、パク・ジョンピョ、イ・チャンヨン、チョン・ソンウ、コ・ヨンビン
⇒韓国では誰もが知る古典「春香伝(チュニャンジョン)」「沈清伝(シムチョンジョン)」の有名エピソードをミックスして、両班の青年モンリョンと恋に落ちたチュニャンのラブストーリーをパンソリをベースにしたミュージカルに仕上げた作品。2人の恋路を阻む悪役ピョン・ハクドや、下男のパンジャなど、キャラクターの名前は「春香伝」に倣っています。モンリョン役は「兄弟は勇敢だった!?」のパク・ジュンピョ、「風月主」のイ・チャンヨン、「恋の駆け引きの誕生」のチョン・ソンウと、偶然にも今年アミューズミュージカルシアターで来日公演を行った作品に主演した男優が揃っています。加えて、ピョン・ハクド役にはコ・ヨンビン&イ・ソクジュンと魅力的なベテラン2人が揃いました。この作品に格別の愛情を注いでいるというイム・ガンヒのチュニャン役が素晴らしいですよ! ★★★

「オール・ザット・ジャズ~ラブ・イン・ニューヨーク」
上演中~11月7日 成均館大学 新千年ホール
出演:チェ・ソンウォン、パク・シボム、フィ、イ・スワン、フナ、チェ・スア、キム・ミンジ
⇒一見ライセンスもののようですが、2010年に初演した韓国オリジナルミュージカルで、ボブ・フォッシーの映画「オール・ザット・ジャズ」よろしく、軽快なジャズと華麗なダンスシーンが楽しめる作品。
初演では主人公テミン役を、ムン・ジョンウォン(「レミゼ」ジャベール、「ノートルダム」クロパン)、再演ではカン・テウル(「あの日々」ジョンハク、「マーダー・バラッド」トム)が演じていました。今年は、最近驚異的なダイエットに成功したチェ・ソンウォン(「サ・ビ・タ」「アサシンズ」)ほか、4人が務めます。

「グーテンベルグ!」
上演中~11月10日 忠武アートホール 中劇場ブラック
出演:ソン・ヨンジン、チャン・ヒョンドク、チョン・サンフン、チョン・ウォニョン
⇒2006年にオフブロードウェイでスタートしたコメディ2人劇「Gutenberg! The Musical」の韓国版初演です。ブロードウェイを夢見て小劇場でリーディング公演をするバド&ダグが、活版印刷の祖として知られるグーテンベルグの物語を上演。平凡なワイン製造業だったグーテンベルグが、活版印刷機を発明したことで周囲の人々との関わりが変わっていきます。グーテンベルグが想う女性の名前がヘルベチカ(これは文字のフォントの名前です)、修道士、酔っ払い1、2など、劇中のバド&ダグが登場人物のキャラ名を書いた帽子をとっかえひっかえ被り、2人で数十人の登場人物を演じます。ブロードウェイを目標としているというだけに、劇中では「ジキハイ」「ファントム」「ラ・マンチャ」などさまざまな有名ミュージカルのパロディも散りばめつつ、俳優2人は汗びっしょりになりながらしゃべりっぱなし、動きっぱなしの2時間です。
 このところ4作品続けて同じ作品に出演しているソン・ヨンジン&チャン・ヒョンドク、コメディの達人チョン・サンフン、快活なイメージが魅力のチョン・ウォニョンと、韓国舞台ファンたちが必ず観たいと思う4人が揃い、斬新な作品性もあって、いろんな組み合わせで見たくなる作品です。★★★☆

「バンジージャンプする」
上演中~11月17日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール
出演:カン・ピルソク、ソン・ドゥソプ、チョン・ミド、キム・ジヒョン、イ・ジェギュン、ユン・ソホ
⇒イ・ビョンホン&イ・ウンジュ主演で2001年に韓国公開された同名映画が原作。「JSA」と並びイ・ビョンホンの人気を決定づけた映画です。昨年ミュージカル化すると知ったときは、この難しいストーリーをどうやるんだろう?と正直思っていたのですが、実際に舞台を見てビックリ! 見事に昇華してありました。スコアのメロディーも美しく、昨年の創作ミュージカルのなかではマイベストです。
 再演では、初演で素晴らしい演技を披露していたカン・ピルソク、チョン・ミドに加え、人気上昇中のソン・ドゥソプ、キム・ジヒョンが入り、どの組み合わせで見てもいい顔ぶれ。加えて「スリル・ミー」経験者でもある高校生ヒョンビン役のイ・ジェギュンとユン・ソホも、この作品では魅力倍増です。今秋の創作ミュージカルのなかでは個人的イチオシ! ぜひ多くの人に見てほしいです。★★★★

「ザ・コロス:オイディプス」
10月9日~20日 LGアートセンター舞台架設センター
出演:パク・ヘス、パク・インベ、イム・ガンヒ、イ・ガプソン、イム・チョルス、オ・チャヌほか
⇒2011年の初演時にチケットが完売したという話題作を再演。「皇太子失踪事件」など、オリジナリティあるクリエイションが注目を浴びているソ・ジェヒョン演出家による作品です。キャスト的ポイントは「女神様がみてる」で北の兵士チャンソプをWキャストで演じていたパク・ヘスとイム・チョルスが出演していること。そして「ネクスト・トゥ・ノーマル」「アサシンズ」「ラ・マンチャの男」などの話題作への出演が続く二枚目パク・インベなど、(個人的には)なかなか興味を惹かれる男優が出演しています。

「飛べ、パクさん!」
10月9日~11月25日 梨花女子大学 サムソンホール
出演:ホン・リュニ、オム・テリ、ハン・ボラ、キム・ヨンナム、キム・イサクほか
⇒昨年大邱とソウルのミュージカルフェスティバルで受賞し、本公演を実現。今春「女神様がみてる」とともに、新作の創作ミュージカルとしては異例の大ヒットとなった作品が、中劇場サイズにグレードアップして再演。演出家、作家、音楽監督、歌手出身俳優に、ミュージカル俳優たち…とワガママ言いたい放題の人々に振り回される、劇団のカンパニーマネジャー(制作責任者って感じですかね?)であるヒロインの日常を描いた作品。舞台制作の裏側のリアルなエピソードが満載で、有名ミュージカルのパロディなんかも入り、粗削りながら初演はなかなか面白かったですよ。★★★☆

「ミア・ファミリア」
10月15日~2014年1月5日 忠武アートホール 小劇場ブルー
出演:イ・スンヒョン、ユ・ソンジェ、チャン・ギョンウォン
⇒「ママ、ドント・クライ」「美男<イケメン>ですね」などを手がけたキム・ウンギ演出、イ・ヒジュン脚本家コンビが贈る新作。イ・スンヒョンは自身もミュージシャンで「光化門恋歌2」「モビーディック」「オーディション」など音楽がテーマの作品に多数出演してきた人。ユ・ソンジェも「モビーディック」への出演経験ありです。バンドが入るそうですので、音楽劇っぽい感じなのかな? どんな作品になるのか楽しみです。

「グリース」
10月22日~オープンラン 大学路ユニプレックス1館
出演:ジョンミン、カン・ミンス、キム・ボソン、ユン・ジュノ、イ・ヒョク、キム・ヨンギュ
⇒コ・ヨンビン、オ・マンソク、オム・ギジュン、チェ・ジェウン、ソン・ヨンジン、キム・ムヨル、チョン・サンユン……と、この作品を通ってないミュージカル俳優はいないんじゃないかというくらいの定番作。ドラマでブレイク前のチ・ヒョヌやカン・ジファンもかつて出演していました。
夏のバカンス中に出会い恋に落ちたダニーとサンディ。サンディが夏休みを終えて転校した学校で、実は札付きの不良だったダニーと再会して起こる出来事を楽しく描く学園ミュージカル。同名ミュージカルをもとにしたジョン・トラボルタ主演映画「グリース」を見ておくと、話が分かりやすいと思います。久々に大学路に戻ってきた「グリース」、SMアートホール前に新しくできた、大学路ユニプレックスという劇場ビルのこけら落とし作品になります。★★★

「マーダー・バラッド」
11月5日~2014年1月26日 ロッテカードアートホール
出演:チェ・ジェウン、カン・テウル、ハン・チサン、ソン・ドゥソプ、イム・ジョンヒ、チャン・ウナ
⇒若い頃に激しい恋に落ちたものの、長くは続かなかったサラとトム。サラは深く傷ついた彼女の心を癒してくれた優しい男マイケルと結婚、子供もできて幸せな日々を送っていた。だが、変化のない毎日に疲れはじめたサラはトムに会いに行き、愛を再燃させるのですが……。
 2012年からオフブロードウェイで上演された話題作を早くも韓国版で上演。トム役には旬の男優4人が揃いましたが、若干女優陣が弱いのが気になります。プロットだけ見ると演劇「クローサー」のロック・ミュージカル版という感じですが、ライブハウス形式、(おそらく)からみが多いセクシー度が高い作品のようで、韓国の(女性の)観客に受け入れられるかどうか、幕が上がって見ないと分からないですね。

壁抜け男」
11月13日~2014年1月26日 弘益大 大学路アートセンター
出演:イ・ジョンヒョク、マイケル・リー、キム・ドンワン、コ・チャンソク、イム・チョリョン
⇒平凡な市役所職員として働いていたデュティユルが、ある日突然手に入れた壁を抜ける能力を利用して貧しい人々や苦しんでいる人を密かに助け、街では謎のヒーローの話題でもちきりに。だが、その壁を抜ける能力は、女性を愛してしまうと消えてしまうと医者に忠告されるのですが、想いを寄せていた美しい人妻、イザベルが夫に軟禁されていると知って……。
 劇団四季の日本版でもおなじみのフランス発ミュージカル。主人公デュティユルに、昨年の公演にも出演していたイ・ジョンヒョクに、「ノートルダム・ド・パリ」にも出演中のマイケル・リー、そしてSHINHWAのキム・ドンワンと、新メンバーが加わりました。デュティユルの切ない恋物語を彩る、数々の映画音楽で知られるミシェル・ルグランによる美しいスコアも聴きどころです。★★★☆

「風月主」
11月19日~2014年2月16日 トンスンアートセンター トンスンホール
出演:チョン・サンユン、チョ・ブンレ、シン・ソンミン、ペ・ドゥフン、キム・ジヒョンほか
⇒新羅時代、身分の高い女性の相手をする男妓生が集う妓房(キバン)が舞台。一番人気のヨルは真聖女王の寵愛を受けていたが、彼の心は幼い頃から常に一緒だったサダムにあった。ヨルの子を身ごもった女王は、サダムにヨルの出世を阻まないよう脅しをかけるのですが……。
 架空の男妓生の切ない愛を描いた昨年の初演が好評で、今年来日公演も行われた小劇場ミュージカルが、キャスト、スタッフを一新し、劇場規模も拡大して再演。ヨル役には、本作のリーディング上演時に出演していたチョン・サンユンに、ソウル芸術団のイケメンホープ、チョ・ブンレ。サダム役には昨年の「風月主」にも出演、今年は「スリル・ミー」で私を見事に演じていたシン・ソンミンと、Mnetのオーディション番組出身のペ・ドゥフンと、今年も韓国のミュージカルマニアが萌えそうなキャストがそろっています。

<今後上演開始の注目ミュージカル>

●「ウエディング・シンガー」(写真)
11月26日~2014年2月9日 ドゥサンアートセンターヨンガンホール
●「チング」11月29日~2014年1月12日 釜山・映画の殿堂ハヌル演劇場
●「ウェルテル」12月3日~2014年1月12日 芸術の殿堂 CJトウォル劇場
●「カルメン」12月6日~2014年2月23日 LGアートセンター
●「ディセンバー:終わりなき歌」12月中旬~ 世宗文化会館 大劇場
「ジャージー・ボーイズ」2014年1月17日~3月23日 ブルースクエアサムソンカードホール



===========【演劇】=============
「鉱夫画家たち」
上演中~10月13日 明洞芸術劇場
出演:カン・シニル、キム・スンウク、キム・ジョンギ、ミン・ボッキ、チェ・グッキほか
⇒「ビリー・エリオット」のリー・ホール原作。2010年に同劇場で初演され、3年ぶりの再演です。
美術史を教えるために講師が派遣されたものの、絵の描き方など習ったこともなかった炭鉱の鉱夫たちを前に暖簾に腕押し状態。そこで直接絵を描かせてみたところ、鉱夫たちは意外な才能を発揮しはじめ、それが画商の目に留まって…という、サクセスストーリーの実話を舞台化。演出は名優が揃う、劇団チャイムのイ・サンウ先生。劇団の所属俳優が多数出演しています。★★★★

「父の家」 
上演中~10月20日 南山芸術センター ドラマセンター
⇒南山芸術センターと劇団風景の共同制作作品で第2回碧山戯曲賞受賞作。父を亡くした4人の若者を中心に、父の存在(威厳や教え)が危うくなってきている現代社会を切り取る物語。「焼肉ドラゴン」に出演していたシン・チョルジン、「青い日に」に出演していたキム・ハクソンら、硬派な演劇作品を中心に活動する俳優たちが多数出演しています。

「かもめ」
上演中~10月26日 ドゥサンアートセンター Space111
出演:ソ・ヨンジン、イ・ユンジェ、クォン・テッキ、夏目慎也、佐藤誠、オ・ミンジョン、佐山和泉
⇒平田オリザが主催する「青年団」の演出部にも所属し、自ら旗揚げした劇団「東京デスロック」を主宰する多田淳之介と、現在ドゥサンアートセンターの支援を受けつつ、劇団「第12言語演劇スタジオ」代表を務めるソン・ガウンの共同演出作品。日韓の演出家と俳優が日本の植民地支配下(日帝時代)を描く作品を共同制作するという画期的なコラボレーション。ぜひ会期中に見に行きたいと思っています。

「オクチョッガ」
10月25日~27日 LGアートセンター
出演:イ・チャラム
⇒幼い頃から天才ソリクンとして活動して大人気。圧倒的な表現力と、パンソリの枠にハマらず、現代音楽とのコラボレーション舞台を作・演出するなど活動にも積極的で、その名前だけで観客を呼べる、パンソリ界の若き名唱(ミョンチャン)、イ・チャラム。彼女が、ブレヒトの「肝っ玉おっ母とその子供たち」をパンソリ劇で上演。昨年同劇場で全公演を見事ソールド・アウトさせた作品をアンコール上演。今年もすでに完売しています。タイトル「억척가」の억척とは、“肝っ玉”の意味。

「トーキー・ブルース」
上演中~10月27日 大学路ヨヌ小劇場
出演:キム・ダヒン、チョン・ソクホ
⇒俳優が実際に現地を旅し、知り合った人々や旅先で起きたエピソードを紹介しながら、フィクションのストーリーを織り交ぜ、セミドキュメンタリータッチでつづるユニークな作品。2011年からロングランしていたインド旅行編の「インディア・ブログ」が好評で、この作品のアイデアをもとにキム・スロが所属俳優たちとヨーロッパを旅したのが、今年上演していた「ヨーロッパ・ブログ」。そして、第3弾が、このトルコ旅行編となる「トーキー・ブルース」です。主演は「インディア・ブログ」でも活躍していた2人。ギターの上手いキム・ダヒンが語り部と歌担当、チョン・ソクホはトルコ旅行での映像を交えて語ります。物語は高校時代の親友だった2人がひょんなことから仲違いしてしまい、過去を回想しながらともにかつての夢だったトルコ旅行に旅立つという話。小劇場作品ならではの密度と温かさを感じられる作品で、観終わった後にじんわりと癒される、いい作品です。おすすめ!★★★★

「劇的な一夜」
上演中~11月10日 大学路ソリアートホール1館
出演:ウォン・ジョンファン、チョン・ソンイル、チュ・ミンジン、チェ・ソンファほか
⇒韓国ドラマでもよくありますが、酔った勢いで一夜を過ごしてしまう、いわゆる”ワン・ナイト・スタンド”をやってしまった男女を描いたラブコメディ。下着姿やベッドシーンなどセクシーな描写があるため、19歳以下観覧不可となっていますが、それほど刺激的でもなく笑って見れる程度です(笑)。
「風月主」「ブッとび!ヨンエさん」などに出演していたウォン・ジョンファン、「女神様が見てる」でブレイクしたチュ・ミンジンなど、この作品にピッタリなコメディの上手いキャストが揃っています。★★★
※当初の予定から公演期間が延長されました。

「ターミナル」
10月25日~11月10日 プロジェクトBOX SEEYA
出演:イ・ミョンヘン、キム・ジュワン、ウ・ヒョンジュ、ソ・ジョンヨン、イ・チャンフン
⇒今夏同劇場で上演していた「14人、チェーホフ」に続き、上演するオムニバス短編演劇集。韓国芸術総合学校の若手劇作家9人の短編を期間中にランダムに上演。出演は「熱い海(熱海殺人事件)」「青い日に」「ヒストリー・ボーイズ」「ステディ・レイン」と最近話題の演劇に次々と出演しているイ・ミョンヘン(この俳優さん要注目です!)に、劇団コルモッキルの若き看板役者キム・ジュワン、女性のみの劇団メンシアターを率いるウ・ヒョンジュと、なかなか凄い俳優が揃っています。
「14人、チェーホフ」も面白かったので、今回も期待です~!

「サボイ・サウナ」
11月1日~10日 ドゥサン・アートセンター Space 111
出演:キム・ジョンフン、アヌパム・トリパティ
⇒ドゥサンが若手クリエイターを育成するプログラムでサポートを受けている、ヨ・シンドンの演出デビュー作。「サボイ・サウナ」とは演出家が幼い頃に通っていた銭湯の名前だそう。演出家はもともと舞台美術デザイナーだということで、セットにも注目です。音楽監督は、「ジーザス・クライスト・スーパースター」で一躍脚光を浴びた、若き天才チョン・ジェイル。

ダンテの「神曲」 
11月2日~10日 国立劇場ヘオルム劇場
出演:パク・ジョンジャ、チョン・ドンファン、チ・ヒョンジュン、チョン・ジュネ、キム・グンミ
⇒青年ダンテが古代ローマ詩人のヴェルギリウスに出会い、地獄~煉獄~天国と、死後の世界への旅に案内される。そこに住む人間たちの業の深さ、醜さ、愚かさを目の当たりにしながら旅を続けていくダンテの葛藤や心情がつづられます。「冬ソナ」サンヒョク父として知られたチョン・ドンファン、「JCS」ではピラート役だった演戯団コリぺ出身、演劇、ミュージカルで活躍するチ・ヒョンジュンらが出演。国立劇場の大きな舞台で、この壮大な物語をどう描くのか気になります。

「パズル」
上演中~11月17日 大学路ハッピーシアター
出演:ホン・ウジン、カン・ソン、チョン・ビョンウク、ウォン・ジョンファン、パク・ミンジョン
⇒英国の劇作家、マイケル・クーニー作の「The Point of Death」を韓国で初演。この原作はライアン・フィリップ主演で「Re:プレイ(原題はThe I Inside)」という映画にもなったそうです。
事故で記憶を失った男の過去をパズルのように紐解いていくサスペンス作で、主人公サイモン役は「悪い磁石」「私とおじいちゃん」「トゥルー・ウエストと、大学路で人気を博した作品に出演してきたホン・ウジンと「英雄を待って」「ブッとび!ヨンエさん」のカン・ソンのWキャスト、ほかチョン・ビョンウク、ウォン・ジョンファンなど、演技の上手い役者が揃ってますよ。

「ダントンの死」
11月3日~11月17日 芸術の殿堂 CJトウォル劇場
出演:パク・ジイル、ユン・サンファ、イ・チャラム、ムン・ヒョンジュ、チェ・ジヨン
⇒原作はドイツの劇作家ゲオルグ・ビューヒナーの戯曲。フランス革命後、共和国制となったものの混乱が続くフランスで実権を握ったロベスピエールが、かつては共に戦ったダントンを標的にしてついには断頭台に送ってしまうという話。出演は、昨年「深夜食堂」に主演していたパク・ジイル、今年初旬に「年老いた泥棒話」に終演していたユン・サンファ、「オクチョッガ」の項で紹介したソリクン、イ・チャラムが女優として出演します。

「ワーニャおじさん」
10月26日~11月24日 明洞芸術劇場
出演:ペク・ソンヒ、イ・サンジク、ハン・ミョング、パク・ユニ、ファン・ジョンミン
⇒チェーホフ四大戯曲のひとつを、韓国演劇界の重鎮、ペク・ソンヒ先生ほか、実力派俳優を揃えて上演。老教授を尊敬し、姪ソーニャと一緒に領地の管理に人生を捧げてきたワーニャ。教授がその領地を売り払うと言ったことから、彼は教授への失望感が深くなる……。教授の若く美しい後妻エレーナに翻弄されるワーニャと医師アーストロフ、アーストロフを想うソーニャ……という絡み合う男女四角関係もこの作品の面白いところ。

「クローサー」
上演中~12月1日 大学路アートワンシアター1館
出演:シン・ソンロク、イ・ユンジ、チン・セヨン、ソ・ボムソク、イ・ドンハ、チェ・スヒョン
⇒出会ってまもなく同棲を始めた作家志望のダンとストリッパーのアリス。ダンが一目ぼれをしたカメラマンのアンナと、アンナと知り合い結婚した医師のラリー…と、4人の男女の愛情が交錯するヒューマン・ラブストーリー。ジュード・ロウやナタリー・ポートマン主演の映画「クローサー」の原作となった戯曲で、韓国では2006年から上演。過去にはリュ・ジョンハン、コ・ヨンビン、オム・ギジュンなど錚々たる顔ぶれが出演していました。
 今年もキャストは豪華です。兵役後、待望の舞台復帰となったシン・ソンロクにイ・ユンジ、チン・セヨン、キム・ヘナなど映画、ドラマで活躍する俳優が多数出演。「洗濯(パルレ)」「悪い磁石」のチュ・ミンジュによる演出にも注目です。プレスコールではミンジュさん曰く「スキンシップが見どころ」とのことでしたが、この作品、濃厚なキスシーンが頻出するのが特徴です(笑)
※当初の予定から公演期間が延長されました。

「三人姉妹」 
11月8日~12月1日 芸術の殿堂 自由小劇場
出演:ウ・ミファ、キム・ジウォン、チャン・ジア、オ・ミンソク、ユ・スンチョル
⇒チェーホフ四代戯曲のひとつである「三人姉妹」を、芸術の殿堂の企画・制作で上演する「チェーホフ演劇」シリーズの第3弾。軍人である父とともに田舎町に住み始めた、モスクワ生まれのプロゾーロフ家の三人姉妹が主人公。父の死後、満たされない生活をおくる三姉妹は、プロゾーロフ家唯一の男兄弟であるアンドレイが妻をめとったことで、それぞれの暮らしに大きな変化が訪れます。
出演は、演劇賞の受賞歴がある演技派俳優揃いです。

「ピローマン」
11月20日~12月15日 忠武アートホール 中劇場ブラック
出演:キム・ジュンウォン、ソン・ジュンハク、ホン・ウジン、チョン・テミン
2007年の韓国初演ではチェ・ミンシクをはじめ、演劇界の名優勢ぞろいだった作品を、昨年5年ぶりに再演。ドゥサンアートセンター Space111で上演され、完売続出した名作が待望のカムバック。日本では2004年に長塚圭史演出、高橋克実、山崎一らの出演で上演されています。
 残酷で救いのない童話ばかり書いている作家カトゥリアンの周囲で、童話と似た殺人事件が起こり、容疑者としてカトゥリアンが逮捕されます。彼には知的障害のある兄ミハイルがいて、ミハイルは長年両親に虐待されていた過去をもつのですが…。登場人物は4人、物語が進むにつれ、カトゥリアンとミハイル兄弟、取り調べする刑事2人の素性が明らかになっていくのですが、なんとインターミッションをはさんで3時間上演という長編ながら、緊張感がまったく途切れません。ブラックなストーリーですが、影絵を使ったり、ファンタジックな演出を工夫されていてそれほど怖さはないですよ^^ 
昨年カトゥリアン役だったキム・ジュンウォンと刑事トゥポルスキ役のソン・ジュンハクが今年も出演(この2人が重要なんです)、兄ミハイル役を最近精力的に演劇に多数出演しているホン・ウジンが演じるのも注目です。個人的には昨年見た演劇の中ではベストでした。激押し作!★★★★★

「恋愛時代」 
上演中~12月29日 大学路自由劇場(旧PMC自由小劇場)
出演:キム・ジェボム、イ・シンソン、チョ・ヨンギュ、シム・ウンジン、ファン・イニョン
⇒故・野沢尚の同名小説が原作。2006年にソン・イェジン、カム・ウソン共演でドラマにもなりました。
離婚後も何かにつけて会っていた元夫婦が、それぞれに新しいパートナーが現れつつも気になってしまう微妙な感情を繊細につづってあります。2011年の初演にはキム・ダヒョンや、リュ・スンワン監督映画の常連でもあるキム・スヒョンがW主演でした。今年は「風月主」などで来日公演も行い大忙しのキム・ジェボムや、元Baby B.O.Xのシム・ウンジンなどが出演。

「笑の大学」
11月8日~ トンスンアートセンター トンスンホール
出演:キム・スンデ、チョン・テウ、リュ・ドックァン、ソン・ヨンチャン、ソ・ヒョンチョル
⇒三谷幸喜の同名原作の2人芝居。あらゆる作品が検閲されていた戦時中を舞台に、カタブツな検閲担当の警察官が、劇団の座付き作家に台本の書き直しを執拗に何度も命じます。水と油のように見えていた2人が、台本の内容について会話を交わすうち、2人の間に友情のような妙な感情が生まれていく過程が面白いです。08年に韓国版が初演され、超ロングラン上演していた作品が約2年ぶりに戻ってきます。作家役の3人と、ソ・ヒョンチョルはいずれも初出演。検閲官役のソン・ヨンチャンは初演からずっとこの役を演じています。韓国版も、日本オリジナルに負けないくらい面白いですよ^^★★★★

「モクラン姉さん」 
11月19日~12月29日 ドゥサンアートセンタ Space111
出演:ファン・ヨンヒ、アン・ビョンシク、キム・ミョンギ、パク・ジファン、チョン・ムンソン
⇒北朝鮮の平壌から、不慮の事故で南に渡ってきたモクランの苦労を描き、南北分断の現実を映し出す作品。昨年同劇場で初演した作品を再演。キャストも若手俳優中心に変わっています。

<今後上演開始の注目演劇>
「裵裨將傳(ぺビジャンジョン)」 12月14日~18日 国立劇場ヘオルム劇場
「ステディ・レイン」 12月21日~2014年1月29日 忠武アートホール 中劇場ブラック


※紹介作品についてのご質問などありましたら、コメント欄からお問い合わせください。
私が分かる範囲でしたら、お答えできると思います。

2013年9月15日日曜日

韓国ミュージカル&演劇 9-10月のオススメ作品

気が付けば9月も半ば…今月は急な仕事のスケジュールが詰まってしまいまして、更新が大幅に遅れてしまいました。申し訳ありません。
記事出しが遅れたので、10月の作品も入れつつオススメ作品をご紹介します。
今月は大きく作品が入れ替わりました。これから初冬に向けた作品がスタートしていますので、年内に一度韓国にいらっしゃるといろんな作品が見られると思います。

以前からお願いしておりますが、全ブログ記事の商用記事、サイトへの流用は禁止です。
個人ブログへの無断コピーもご遠慮いただけますようお願いします。

余談ですが先日、日本に一時帰国したときにとある雑誌を読んだら、ここに書いてある解説をどうも参考にされている様子の記事を発見(苦笑)
プロも参考にされているということで、光栄ではありますが、参照されるのはほどほどに……。


作品のタイトルにはすべて韓国のチケットサイト
インターパーク(인터파크) http://ticket.interpark.com/ のリンクを張っています。
詳細情報はリンク先(韓国語)でご確認ください。

日本からチケットを直接買えるのは

VISIT SEOUL (ソウル市観光情報サイト)

●インターパークグローバル(英語版) (日本語版)

※現在は大型作品や話題作のみ直接購入できます。中・小劇場ミュージカルや演劇は、よほどの人気作でない限り、売り切れることは稀ですので当日劇場に行って買えると思います。

※大学路で上演される中小劇場作品は、地下鉄4号線・恵化(ヘファ)駅の4番出口を出てすぐのところにある、「ソウル演劇センター」か、2番出口を出てすぐのところにある「良い公演紹介所」では、ディスカウント価格で当日券を買えるチケット販売所があります。(大学路で上演しているすべての作品を扱っているわけではありませんので要注意)


<9月上演のオススメ作品>
※作品の並びは公演終了日が早い順です。
再演の作品など、私が見たことがある作品は、個人的オススメ度を5段階の★でつけています。

==========【大劇場ミュージカル】=========


「K-Musical Stars Concert 2013 in Seoul」
9月20日 LGアートセンター
出演:オク・チュヒョン、イム・テギョン、キム・スンデ、KAI
「エリザベート」「モーツァルト!」「レベッカ」「モンテクリスト」…と、大ヒットミュージカルを多数制作するEMKに所属する俳優たちによるガラ・コンサート。日本でも今年、東京で開催されて好評でしたね。当初出演を予定していたチョン・ドンソクに代わり、日本でも活動するポッペラ歌手で「二都物語」「ストーリー・オブ・マイライフ」などのミュージカルにも出演したKAIの参加が決定。当然それぞれが出演した作品の名曲を歌ってくれるでしょう~♪

「アメリカン・イディオット」(来韓公演)
上演中~9月22日 ブルースクエアサムソン電子ホール
⇒8月に行われた日本公演を経て、韓国で公演中です。ロックファンには根強い人気を誇るアメリカのパンクバンド、グリーン・デイのアルバム収録曲をベースに、アメリカ中産階級の若者が抱えるドラッグ、軍入隊などのシリアスな現実を切り取った内容になっています。主人公のジョニー役の俳優さんが、グリーン・デイのVo.ビリー・ジョーにちょっと似た雰囲気で(笑) 友人ウィル、ダニー役の俳優さんたちもなかなかのイケメンです^^
私は元々ロック好きなので、生バンド演奏によるライブ感覚の舞台を楽しめましたが、音楽もコスチュームもクラシカルなミュージカルがお好きな方にはどうかな~?という感じです。★★★

「忘れた顔 1895」
9月22日~29日 芸術の殿堂CJトウォル劇場
出演:チャ・ジヨン、キム・ドビン、パク・ヨンス、ソン・スンウォン、クム・スンフンほか
⇒1987年創立の老舗歌劇団、ソウル芸術団がトウォル劇場で上演するシリーズ第2作。
今回のテーマは朝鮮王朝最後の王妃、明成(ミョンソン)皇后の物語です。5月に上演された第1作、戦時中の日本で客死した韓国人留学生の詩人を取り上げた「尹東柱、月を射る」もそうでしたが、この時代を描く舞台作品に登場する日本人キャラクターのほとんどが“悪”として描かれるため、ご覧になる方はそれなりの時代認識をしたうえで臨まれることをおすすめします。
ただ、キャストはかなり魅力的。「モンテクリスト」「アイーダ」などで主演を張るチャ・ジヨン、ソウル芸術団員の若手2トップ、キム・ドビンとパク・ヨンス、「ヘドウィグ」ソン・スンウォンなど、いい顔ぶれ揃ってます。演出は「ラ・カージュ」「JCS」「ガイズ&ドールズ」などを手がけたヒットメーカー、イ・ジナ先生。
公演が1週間しかないのはもったいないほど贅沢なスタッフとキャストですよ。

「ジャック・ザ・リッパー」(ソウル公演)
上演中~9月29日 D-CUBEアートセンター
出演:オム・ギジュン、キム・ダヒョン、チ・チャンウク、ソンミン、イ・チャンミン、チョン・ドンハ
⇒昨年、日本初上陸してなかなか好評だった「ジャック」が、城南公演につづいてD-CUBEでソウル公演中です。今回はダヒョン、チャンウク、ドンハと3人の新ダニエルも加わっています。城南公演を見ましたが、演出的には昨年とまったく同じと言っていいでしょう。11月に行われる横浜公演では、ダニエル役に待望の舞台復帰となるアン・ジェウクと、Jun.K、ソン・スンヒョンが出演するなど、少々日本シフトのキャストに変わっていますのでご注意くださいね。★★★

「MUSIC OF THE NIGHT」
10月3日 慶熙(キョンヒ)大学 平和の殿堂
韓国のトップミュージカルスターに加え、「ファントム」「ジキハイ」「天国の涙」と韓国で多数の公演経験がある米ミュージカルスター、ブラッド・リトルが加わった超ゴージャスなガラ・コンサート。
近年急増しているガラコンのなかでも、“見ておくべき”面々が揃っています。昼・夜2回公演です。

出演:ブラッド・リトル  「オペラ座の怪人」「ジキル&ハイド」「天国の涙」
    マイケル・リー   「ミス・サイゴン」「ジーザス・クライスト・スーパースター」
    キム・ソヒョン   「オペラ座の怪人」「ジキル&ハイド」「エリザベート」
    ソン・ヨンジン   「ヘドウィグ」「シャーロック・ホームズ」「グーテンベルグ!」
    ヤン・ジュンモ   「オペラ座の怪人」「ジキル&ハイド」「スカーレット・ピンパーネル」
    ユン・ヒョンリョル 「ノートルダム・ド・パリ」「二都物語」「モーツァルト!」
    ハン・チサン    「ジーザス・クライスト・スーパースター」「ネクスト・トゥ・ノーマル」
    チェ・スヒョン   「二都物語」「アイーダ」「三銃士」「スリル・ミー」
    パク・ヘナ     「ウィキッド」「ヘイ!ザナ」「パリの恋人」「深夜食堂」
    ソン・ジュノ    「三銃士」「オペラ座の怪人」

「アベニューQ」(来韓公演)
上演中~10月6日 シャーロッテ劇場
⇒日本で2010年に来日公演も行った、ブロードウェイ発のパペットミュージカル。移民が多いエリアとして知られるNYロウワーイーストに街をアルファベットで呼ぶ区域があるのですが、その中の「アベニューQ(Q通り)」のとあるアパートに暮らす人々のひきこもごもをアイロニカルなセリフたっぷりに楽しく描きます。「セサミストリート」のキャラクターをオマージュしたようなパペットを操りつつ、それぞれの俳優が自身の役柄もこなしているのが凄い!パペットたちはラブシーンなんかもあったりして、日本公演のときは18禁パペットミュージカルなんて言われていました。
韓国公演には「トーチウッド」などのドラマにも出演した日本人女優、森尚子が出演中。キム・ジュンスをはじめ、多くの人気スターが観劇に訪れている注目作です^^ ★★★★☆

「ボニー&クライド」
上演中~10月27日 忠武アートホール大劇場
出演:オム・ギジュン、ハン・チサン、Key、パク・ヒョンシク、アン・ユジン、リサ、ダナほか
⇒1930年代に実在したギャング、クライド・バロウとその恋人ボニー・パーカーの物語。日本でも田代万里生&濱田めぐみ共演で昨年上演されました。先日のプレスコールで見た印象だと、登場人物たちのクラシックなアメリカの空気が感じられる衣装やメイクが印象的で、大人のカップルの物語だけに(?)キスシーンやセクシーなシーンが多かったです。観劇前に、映画「俺たちに明日はない」をご覧になっておくと、ストーリーを理解しやすいと思います。
プレスコールでは何気に、ボニーに片想いする警察官テッド役のキム・ボムレのソロが良かった。普段はアクの強いキャラが多い彼が、ベーシックな役もちゃんとできることを見せてくれていますよ。

「ノートルダム・ド・パリ」
9月27日~11月17日 ブルースクエア サムソン電子ホール
出演:ホン・グァンホ、ユン・ヒョンリョル、パダ、ユン・ゴンジュ、マイケル・リー、チョン・ドンソク
⇒15世紀のパリを舞台に、ジプシーの娘エスメラルダを巡る3人の男たちの愛と葛藤をドラマチックに描く大作。韓国ミュージカルの隆盛期、2007年から上演。ミュージカルファンには特に人気の高い作品のひとつなんですが、一筋縄ではいかない恋路を描いたストーリーは韓国ドラマなどでもよくあるシチュエーションなので、韓国の人たちがこの物語にカタルシスを覚えるのも分かります(笑)
 キャストは、この作品に初演から出演しつづけ名を上げたユン・ヒョンリョルに、今回初出演となるホン・グァンホが加わり、史上最強の鐘つき男カジモド役が揃いました。
語り部となるグランゴワール役はチョン・ドンハ、チョン・ドンソクに電撃参加が決まったマイケル・リー。司教フロロ役にはチェ・ミンチョル、ミン・ヨンギと間違いない声の持ち主が揃いました。ほかにも近衛兵長フェビュス役に「レミゼ」でバルジャン役だったキム・ソンミン、ジャベール役だったムン・ジョンウォンはクロパン役と、実力派が揃っています。この秋、必ず見ておきたい1本です。

=========【中・小劇場ミュージカル】=========

「キム・ジョンウク探し」(邦題:あなたの初恋探します)
上演中~9月30日 プティツェルシアター(旧カルチャースペースNU)
⇒今までラインナップに入れてなかったのですが、超新星ユナク出演の来日公演が決まったので、大学路でオリジナルを見たい方もいるかと思い、紹介することにしました。
2006年の初演から多数の人気俳優を生んだ登竜門的作品であり、「あの日々」「兄弟は勇敢だった!?」を生んだ作・演出のチャン・ユジョンの出世作でもある小劇場ミュージカルの代表作です。
 物語はヒロインがインド旅行中に知り合い恋に落ちた“キム・ジョンウク”という男性を探すために、「初恋探し探偵事務所」を始めたばかりの男(役名は俳優自身の名前を使います)に依頼するところからスタート。出演者は3人のみで、男性主人公はジョンウクと探偵の一人二役、それにヒロイン役と、“マルチマン”と呼ばれる20人以上のいろんな登場人物を一人でこなす男優が出演します。韓国では9月末で一旦終わり、また新シーズンが始まると思われます。
このミュージカルを原作にチャン・ユジョン自身の監督により映画化された「あなたの初恋探します」には歴代出演者やミュージカル俳優が多数カメオ出演するので、予習に見るのは楽しいんですが、舞台版とはだいぶ違う部分がありますのでご注意を。★★★★

「パルレ(洗濯)」
上演中~10月5日 大学路アートワンシアター2館
出演:クァク・ソヨン、ホン・ジヒ、パク・ウンミ、キム・ボガン、イ・ジョンウン、チョ・ミンジョン
⇒日本版も評価が高い、韓国の“情”を感じることができる名作です。田舎からソウルに上京して書店員として働くヒロイン、ナヨンと、不法滞在しながら工場で働くモンゴル人青年ソロンゴの恋と人間模様が温かく描かれます。昨年2000回公演を超え、今年で8年目。過去にはホン・グァンホ、キム・ジェボム、ソン・ドゥソプなどの人気俳優を輩出しています。現在のキャストは「グルーミーデイ」「RUN TO YOU~」「宮」のクァク・ソヨン、「グルーミーデイ」「皇太子失踪事件」のキム・ギョンス、「悪い磁石」「ウーマン・イン・ブラック」のキム・ボガンなど注目の若手俳優が揃っています。登場人物たちと一緒に笑って、泣いて、最後は感動で胸がいっぱいになりますよ。
現キャスト版は、10月アタマで終了。次のシーズンからキャストが変わります。★★★★★

「ブラック メリー・ポピンズ」
上演中~10月27日 東国大学イ・ヘラン芸術劇場
出演:キム・ジェボム、イ・ギョンス、パク・ハングン、ユン・ソホ、キム・ドビンほか
⇒ドイツの著名な心理学者の研究対象として養子縁組された4人の少年少女。ある日学者の邸宅が大火災となるも4人の乳母であるメアリー・シュミットは子供たちを救出。しかしメアリーは翌日忽然と姿を消してしまい、子供たちは散り散りに養子にもらわれていく。それから4年後、再会した4人は…。
タイトルから海外のライセンスものかと思われがちですが、韓国オリジナルのサスペンスミュージカル。
昨年の初演では、独特の曲の旋律と振付が印象的で、ミステリー作品としても面白い作品でした。
今年は「風月主」「兄弟は勇敢だった!?」などの来日公演にも主演したキム・ジェボムが、ストーリーテラーも兼ねた長男ハンス役に。「女神様が見てる」「スリル・ミー」「バンジージャンプする」と話題作に次々と出演している若手注目株のユン・ソホが次男ヘルマン役など、初演とはキャストが総入れ替えとなっています。昨年よりも振付の部分が減り、ミュージカルというより歌つきの演劇という印象がより強くなりました。後半の畳み掛けるような種明かしがなかなかスリリングです。★★★☆
※当初の予定より1カ月延長公演になっています。ご注意を!

「スリル・ミー」
上演中~10月6日 新村The STAGE
オ・ジョンヒョク、シン・ソンミン、パク・ヨンス、チョン・サンユン、イ・ドンハ、イム・ビョングン
⇒日本のホリプロ版も定評のある男優2人とピアノ伴奏のみで繰り広げられる心理スリラーミュージカル。今年は演出家の栗山民也をはじめ、日本版スタッフの手によりステージセットや演出が大幅に変わっています(逆に日本版をご覧になった方は、ほぼ同じ感じです)。
現在出演中の2次チーム。過去に出演歴があるオ・ジョンヒョク&チョン・サンユンペアは、1次チームでは私(ネイサン)役だったチョン・サンユンが、2次チームでは彼(リチャード)役を初めて演じます。
初出演のパク・ヨンス&イム・ビョングンペアはソウル芸術団出身だけあって、安定した歌と演技が光る長身ペア。特にイム・ビョングン演じるリチャードはキム・ムヨル版を彷彿とさせる素敵さ!
そしてシン・ソンミン&イ・ドンハペアは、とにかく2人のルックスが最強! シン・ソンミン演じるネイサンはとにかくリチャードを一途に愛している感じ。子犬のように潤んだ彼の瞳で見つめられたらドンハリチャードも思わず優しくしてあげたくなるんじゃないでしょうか(笑)
現在は上記の3ペアをベースに、組合せをシャッフルして上演中。人気俳優の組み合わせは完売している回も多いです。
本作出演後、飛躍した新人が多数誕生した登竜門的作品なので、今年出演した新人たちもブレイク必至です。マニアによるリピート率が高いので、前方の席の確保は若干難しいかもしれませんが、一度ハマると何度でも見たくなる作品です。★★★★★
※当初9月29日で終了予定でしたが、1週間延長公演が決まりました。

「オー!あなたが寝てる間に」
上演中~10月31日 大学路芸術広場1館
出演:イ・ヒョン、イム・ジョンワン、パク・セウン、アン・ドゥホ、カン・ジョンウ、チェ・ソヨンほか
⇒「女神様が見てる」「劇的な一夜」などの人気作を生んだヨヌ舞台が初めて制作した小劇場ミュージカル。「あの日々」「兄弟は勇敢だった!?」「キム・ジョンウク探し」の作・演出チャン・ユジョンが名を上げるきっかけとなった作品で、2005年から定期的に上演しています。カトリック財団が運営する無料病院に入院していた半身不随の男性患者が忽然と失踪。院長、医師、ボランティアの女性、患者たちが抱える背景を描きつつ、男性が失踪した原因を探っていきます。過去にキム・ジェボム、シン・ソンミン、チェ・ホジュン、イ・ギュヒョン、チュ・ミンジンなど現在大学路で活躍中の俳優たちが出演していた作品で、結構リアルな現実社会の問題を盛り込んだ話になっています。★★★

「トライアングル」
上演中~10月20日 サンミョンアートホール1館
出演:キム・ジョング、チョン・ムンソン、イ・ギュヒョン、キム・デジョン、チョン・ウスほか
パルコ劇場で上演された「トライアングル~ルームシェアのすすめ」が原作。2010年にチェ・ジェウン、キム・スンデらが出演して韓国版を初演したのですが、それから3年ぶりに再演です。
作家志望の青年とその隣に住むロッカー、そしてロッカーを追いかけるストーカーの女の子が一緒に住むことになって起こるドタバタを楽しく描きます。今年のキャストは上手い役者が揃っていて、誰の回で見ても面白そうです。私も何回か見に行くことになると思います^^

「印塘水(インダンス)愛歌」
上演中~11月3日 弘益大 大学路アートセンター 大劇場
出演:イム・ガンヒ、ユ・リア、パク・ジョンピョ、イ・チャンヨン、チョン・ソンウ、コ・ヨンビン
⇒韓国では誰もが知る古典「春香伝(チュニャンジョン)」「沈清伝(シムチョンジョン)」の有名エピソードをミックスして、両班の青年モンリョンと恋に落ちたチュニャンのラブストーリーをパンソリをベースにしたミュージカルに仕上げた作品。2人の恋路を阻む悪役ピョン・ハクドや、下男のパンジャなど、キャラクターの名前は「春香伝」に倣っています。モンリョン役は「兄弟は勇敢だった!?」のパク・ジュンピョ、「風月主」のイ・チャンヨン、「恋の駆け引きの誕生」のと、偶然にも今年アミューズミュージカルシアターで来日公演を行った作品に主演した男優が揃っています。加えて、ピョン・ハクド役にはコ・ヨンビン&イ・ソクジュンと魅力的なベテラン2人が揃いました。この作品に格別の愛情を注いでいるというイム・ガンヒのチュニャン役が素晴らしいですよ! ★★★★

「グーテンベルグ!」
上演中~11月10日 忠武アートホール 中劇場ブラック
出演:ソン・ヨンジン、チャン・ヒョンドク、チョン・サンフン、チョン・ウォニョン
⇒2006年にオフブロードウェイでスタートしたコメディ2人劇「Gutenberg! The Musical」の韓国版初演です。ブロードウェイを夢見て小劇場でリーディング公演をするバド&ダグが、活版印刷の祖として知られるグーテンベルグの物語を芝居にして上演します。平凡なワイン製造業だった、グーテンベルグが活版印刷機を発明したことで周囲の人々との関わりが変わっていきます。グーテンベルグが思う女性の名前がヘルベチカ(これは文字のフォントの名前です)、修道士、酔っ払い1、2とか劇中のバド&ダグが登場人物のキャラ名を書いた帽子をとっかえひっかえ被り、数十人の登場人物を演じます。ブロードウェイを目標とする2人だけに、劇中では「ジキハイ」「ファントム」「ラ・マンチャ」などさまざまな有名ミュージカルのパロディも散りばめつつ、2人の俳優は汗びっしょりになりながらしゃべりっぱなし動きっぱなしの2時間です。
 このところ4作品続けて同じ作品に出演しているソン・ヨンジン&チャン・ヒョンドク、コメディの達人チョン・サンフン、快活なイメージが魅力のチョン・ウォニョンと、韓国舞台ファンたちが必ず観たいと思う4人が揃い、斬新な作品性もあって、いろんな組み合わせで見たくなる作品です。★★★★

「バンジージャンプする」
9月27日~11月17日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール
出演:カン・ピルソク、ソン・ドゥソプ、チョン・ミド、キム・ジヒョン、イ・ジェギュン、ユン・ソホ
⇒イ・ビョンホン&イ・ウンジュ主演で2001年に韓国公開された同名映画が原作。「JSA」と並びイ・ビョンホンの人気を決定づけた映画です。昨年ミュージカル化すると知ったときは、この難しいストーリーをどうやるんだろう?と正直思っていたのですが、実際に舞台を見てビックリ! 見事に昇華してありました。スコアのメロディーも美しく、昨年の創作ミュージカルのなかではマイベストです。
 再演では、初演で素晴らしい演技を披露していたカン・ピルソク、チョン・ミドに加え、人気上昇中のソン・ドゥソプ、キム・ジヒョンが入り、どの組み合わせで見てもいい顔ぶれ。加えて「スリル・ミー」経験者でもある高校生ヒョンビン役のイ・ジェギュンとユン・ソホも、この作品では魅力倍増です。今秋の創作ミュージカルのなかでは個人的イチオシ! ぜひ多くの人に見てほしいです。★★★★★

「ザ・コロス:オイディプス」
10月9日~20日 LGアートセンター舞台架設センター
出演:パク・ヘス、パク・インベ、イム・ガンヒ、イ・ガプソン、イム・チョルス、オ・チャヌほか
⇒2011年の初演時にチケットが完売したという話題作を再演。「皇太子失踪事件」など、オリジナリティあるクリエイションが注目を浴びているソ・ジェヒョン演出家による作品です。キャスト的ポイントは「女神様がみてる」で北の兵士チャンソプをWキャストで演じていたパク・ヘスとイム・チョルスが出演していること。そして「ネクスト・トゥ・ノーマル」「アサシンズ」「ラ・マンチャの男」などの話題作への出演が続く二枚目パク・インベなど、(個人的には)なかなか興味を惹かれる男優が出演しています。

「飛べ!パク氏」
10月9日~11月25日 梨花女子大学 サムソンホール
出演:ホン・リュニ、オム・テリ、ハン・ボラ、キム・ヨンナム、キム・イサクほか
⇒昨年大邱とソウルのミュージカルフェスティバルで受賞し、本公演を実現。今春「女神様がみてる」とともに、新作の創作ミュージカルとしては異例の大ヒットとなった作品が、中劇場サイズにグレードアップして再演。演出家、作家、音楽監督、歌手出身俳優に、ミュージカル俳優たち…とワガママ言いたい放題の人々に振り回される、劇団のカンパニーマネジャー(制作責任者って感じですかね?)であるヒロインの日常を描いた作品。舞台制作の裏側のリアルなエピソードが満載で、有名ミュージカルのパロディなんかも入り、粗削りながら初演はなかなか面白かったですよ。★★★☆

「ミア・ファミリア」
10月15日~2014年1月5日 忠武アートホール 小劇場ブルー
出演:イ・スンヒョン、ユ・ソンジェ、チャン・ギョンウォン
⇒「ママ、ドント・クライ」「美男<イケメン>ですね」などを手がけたキム・ウンギ演出、イ・ヒジュン脚本家コンビが贈る新作。イ・スンヒョンは自身もミュージシャンで「光化門恋歌2」「モビーディック」「オーディション」など音楽がテーマの作品に多数出演してきた人。ユ・ソンジェも「モビーディック」への出演経験ありです。バンドが入るそうですので、音楽劇っぽい感じなのかな? どんな作品になるのか楽しみです。

「グリース」
10月22日~オープンラン 大学路ユニプレックス1館
出演:ジョンミン、カン・ミンス、キム・ボソン、ユン・ジュノ、イ・ヒョク、キム・ヨンギュ
⇒コ・ヨンビン、オ・マンソク、オム・ギジュン、チェ・ジェウン、ソン・ヨンジン、キム・ムヨル、チョン・サンユン……と、この作品を通ってないミュージカル俳優はいないんじゃないかというくらいの定番作。ドラマでブレイク前のチ・ヒョヌやカン・ジファンもかつて出演していました。
夏のバカンス中に出会い恋に落ちたダニーとサンディ。サンディが夏休みを終えて転校した学校で、実は札付きの不良だったダニーと再会して起こる出来事を楽しく描く学園ミュージカル。同名ミュージカルをもとにしたジョン・トラボルタ主演映画「グリース」を見ておくと、話が分かりやすいと思います。久々に大学路に戻ってきた「グリース」、SMアートホール前に新しくできた、大学路ユニプレックスという劇場ビルのこけら落とし作品になります。★★★

「ヨセフ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」
10月31日~1月26日 大学路ミュージカルセンター 大劇場
出演:チョン・ドンハ(復活)、パク・ヨンス、キム・スンデ、ヨソプ(BEAST)ほか
⇒原題は「ヨセフ・アンド・ザ・アメージング…」と、and the が入りますが、韓国題は抜いてあります。
「ジーザス・クライスト・スーパースター」を生んだ、アンドリュー・ロイド・ウェーバー&ティム・ライスコンビが学生時代に旧約聖書の「ヨセフの物語」をベースに創作。11人兄弟の末っ子として生まれ、父ヤコブに最も可愛がられたヨセフが、他の10人の異母兄弟に妬まれ隊商に売られた後、さまざまな受難を経て成功をつかんでいく物語。今年春に韓国初演して、スコアもいいしアンサンブルのレベルも素晴らしかったのに、今一つ集客できず残念に思っていたのですが、劇場をサイズダウンしてキャストを替えて、なかなか良い感じです。今度はもう少し多くの人に見てもらえるんじゃないかな。「JCS」にハマった方なら、見ておいて損はないと思いますよ。★★★★

<今後上演開始の注目ミュージカル>
「ガイズ&ドールズ」 11月1日~2014年1月5日 BBCシアター
「マーダー・バラッド」 11月5日~2014年1月26日 ロッテカードアートホール
●「壁抜け男」 11月13日~2014年1月26日 弘益大 大学路アートセンター
「ラ・マンチャの男」 11月19日~2014年2月19日 忠武アートホール大劇場
「ウィキッド」 11月22日~ シャーロッテ劇場
「ゴースト」 11月24日~12月22日 D-CUBEアートセンター
「マンマ・ミーア」 11月26日~2014年3月23日 ブルースクエアサムソン電子ホール
「ジャージー・ボーイズ」2014年1月17日~3月23日 ブルースクエアサムソンカードホール

============【演劇】=============
上演中~9月30日 創造アートホール ブルー館
出演:キム・レハ、チャン・ヨンチョル、キム・ワングン、パク・ホサン
⇒初老の浮浪者の男の半生を回顧しながら、アイロニカルなセリフを多用しつつ韓国近代史をなぞる風刺劇。初演は1981年。舞台に登場するのは俳優と鼓手(コス)2人だけで、韓国伝統のマダン劇スタイルのお芝居です。初代はチャン・ジン師団の一人である名優、チョン・ギュスが演じていたそうで、ほかにもパク・チョルミン、パク・ヘミらも演じていたそうです。今回は映画「王の男」の原作演劇「イ(爾)」に出演していたキム・レハ、パク・ホサン(「光化門恋歌」「光海」など)をはじめ、4人の俳優が日替わりで登場します。観客と会話したり、マッコリ飲ませたり、お金を無心したり、ステージに客を上げたりとかなりアドリブ満載で、とくに年配の観客に大人気でした(笑)
※以前「プムパ」の意味を、「パンソリの節に合わせて興をそそる音」と紹介していたのですが、主人公のキャラである「物乞い」の意味でした。間違っていてすみません。★★★☆

「ソンニョさんの話」
9月27日~11月3日 トンスンアートセンター トンスンホール
出演:コ・スヒ、イ・ジェウン、イム・ホ、チン・ソンギュ、ハン・ガプス
⇒第30回全国演劇祭で大賞ほか5冠を達成した名作演劇。好評につき会場をグレードアップして、早くも9月末からアンコール公演が始まります。
幼い頃から母親の言うことを聞かず、長年家を出ていた息子ジョンウ。母の葬式のため15年ぶりに戻ってきた彼が母の遺影を前に語ったこととは…。
鄭義信作品の常連で、名作演劇の数々に主演してきたコ・スヒをはじめ、「宮廷女官 チャングムの誓い」のグルメな中宗王役が人気だったイム・ホ、映画「犬たちの戦争」でキム・ムヨルの親友役を演じていたチン・ソンギュなど、演技派俳優が勢ぞろいしています。韓国の波乱の近代史のなかで果敢に生き、子供たちを育てた母ソンニョのけなげな姿には涙が止まりませんよ。★★★★

「模範生たち」
上演中~9月29日 大学路自由劇場(旧PMC自由劇場)
出演:ユン・ナム、パク・フン、キム・デヒョン、チョン・スンウォン、パク・ソンフンほか
⇒ある進学校を舞台に、いい成績を取るために優等生の答案のカンニングを企んだ3人の生徒たちと、彼らのその後をシビアに描いた群像劇。演出は「ブルックリン」「ヒストリー・ボーイズ」のキム・テヒョン。
「ブラック・メリー・ポピンズ」「チョンガンネ」などに出演したユン・ナム、「悪い磁石」「あの日々」に出演したキム・デヒョン、「ヒストリー・ボーイズ」に出演していたパク・ソンフン、イム・ジュンシクら、人気上昇中の若手が多数出演。この作品も若手俳優の登竜門になっています。★★★☆
※9月1日終了予定でしたが、若干キャストが入れ替わり29日まで延長公演中。

「ウーマン・イン・ブラック」
上演中~9月22日 トンスン・アートセンター小劇場
出演:キム・イソン、ホン・ソンドク、キム・ギョンミン、キム・ボガン
⇒昨年、同名原作の映画が「ハリポタ」のダニエル・ラドクリフ主演で日本でも公開された、2人芝居のスリラー劇。黒い服を着た女性の悪夢に苦しめられてきた主人公アーサーを映画「豚が井戸に落ちた日」「南営洞1985」のキム・イソンと07年の初演から出演するホン・ソンドク。アーサーが自分の体験を基に制作する演劇の主演俳優役をホン・ソンドクと共に本作を演じてきたキム・ギョンミンと「パルレ(洗濯)」でソロンゴ役として出演中のキム・ボガンが演じています。どのキャストで見ても面白いですが、やはり初演から出演しているホン・ソンドク&キム・ギョンミンの組み合わせは抜群に上手かったです!★★★★

「父と私と紅梅と」
上演中~10月6日 白波アートセンターホワイトホール
出演:シン・グ、ソン・ソク、イ・ホソン、チョン・スンギル、ソ・ウンギョン
⇒最近はtvNの人気バラエティ「花よりおじいちゃん」のレギュラーでも注目を浴びるシン・グ先生と、今年芸歴50年を迎えたソン・ソク先生主演。父が末期がんを宣告されたと聞き、長年家を出ていた次男が戻ってきて世話をしようとするも、父は「帰れ」と拒んでばかり。しかし父の死後、秘められた父の想いを知るという心温まる物語。大ベテラン俳優2人のいぶし銀の演技が観られるだけでなく、数々の演劇で名演を見せているチョン・スンギルが素晴らしいです。★★★☆

「劇的な一夜」
上演中~10月13日 大学路ソリアートホール1館
出演:ウォン・ジョンファン、チョン・ソンイル、チュ・ミンジン、チェ・ソンファほか
⇒韓国ドラマでもよくありますが、酔った勢いで一夜を過ごしてしまう、いわゆる”ワン・ナイト・スタンド”をやってしまった男女を描いたラブコメディ。下着姿やベッドシーンなどセクシーな描写があるため、19歳以下観覧不可となっていますが、それほど刺激的でもなく笑って見れる程度です(笑)。
「風月主」「ブッとび!ヨンエさん」などに出演していたウォン・ジョンファン、「女神様が見てる」でブレイクしたチュ・ミンジンなど、この作品にピッタリなコメディの上手いキャストが揃っています。★★★

「鉱夫画家たち」
上演中~10月13日 明洞芸術劇場
出演:カン・シニル、キム・スンウク、キム・ジョンギ、ミン・ボッキ、チェ・グッキほか
⇒「ビリー・エリオット」のリー・ホール原作。2010年に同劇場で初演され、3年ぶりの再演です。
美術史を教えるために講師が派遣されたものの、絵の描き方など習ったこともなかった炭鉱の鉱夫たちを前に暖簾に腕押し状態。そこで直接絵を描かせてみたところ、鉱夫たちは意外な才能を発揮しはじめ、それが画商の目に留まって…という、サクセスストーリーの実話を舞台化。演出は名優が揃う、劇団チャイムのイ・サンウ先生。劇団の所属俳優が多数出演しています。★★★☆


「クローサー」
上演中~10月13日 大学路アートワンシアター1館
出演:シン・ソンロク、イ・ユンジ、チン・セヨン、ソ・ボムソク、イ・ドンハ、チェ・スヒョン
⇒出会ってまもなく同棲を始めた作家志望のダンとストリッパーのアリス。ダンが一目ぼれをしたカメラマンのアンナと、アンナと知り合い結婚した医師のラリー…と、4人の男女の愛情が交錯するヒューマン・ラブストーリー。ジュード・ロウやナタリー・ポートマン主演の映画「クローサー」の原作となった戯曲で、韓国では2006年から上演。過去にはリュ・ジョンハン、コ・ヨンビン、オム・ギジュンなど錚々たる顔ぶれが出演していました。
今年もキャストは豪華です。兵役後、待望の舞台復帰となったシン・ソンロクにイ・ユンジ、チン・セヨン、キム・ヘナなど映画、ドラマで活躍する俳優が多数出演。「洗濯(パルレ)」「悪い磁石」のチュ・ミンジュによる演出にも注目です。プレスコールではミンジュさん曰く「スキンシップが見どころ」とのことでしたが、この作品、濃厚なキスシーンが頻出するのが特徴です(笑)

「かもめ」
10月1日~26日 ドゥサンアートセンター Space111
出演:ソ・ヨンジン、イ・ユンジェ、クォン・テッキ、夏目慎也、佐藤誠、オ・ミンジョン、佐山和泉
⇒平田オリザが主催する「青年団」の演出部にも所属し、自ら旗揚げした劇団「東京デスロック」を主宰する多田淳之介と、現在ドゥサンアートセンターの支援を受けつつ、劇団「第12言語演劇スタジオ」代表を務めるソン・ガウンの共同演出作品。日韓の演出家と俳優が日本の植民地支配下(日帝時代)を描く作品を共同制作するという画期的なコラボレーション。ぜひ会期中に見に行きたいと思っています。


「トーキー・ブルース」
9月26日~10月27日 大学路ヨヌ小劇場
出演:キム・ダヒン、チョン・ソクホ
⇒男2人が実際にバックパッカーとなって現地を旅し、知り合った人々や旅先で起きたエピソードを映像も交えてセミドキュメンタリータッチでつづるユニークな作品。2011年からロングランしていたインド旅行編の「インディア・ブログ」が好評で、この作品のアイデアをもとにキム・スロが所属俳優たちとヨーロッパを旅したのが、今年上演していた「ヨーロッパ・ブログ」。そして、第3弾が、このトルコ旅行編となる「トーキー・ブルース」です。「インディア・ブログ」でも活躍していた主演の2人が、今度はトルコでどんな珍道中だったのか楽しみです。面白いのは間違いなしのオススメ作!

「パズル」
上演中~11月17日 大学路ハッピーシアター
出演:ホン・ウジン、カン・ソン、チョン・ビョンウク、ウォン・ジョンファン、パク・ミンジョン
⇒英国の劇作家、マイケル・クーニー作の「The Point of Death」を韓国で初演。この原作はライアン・フィリップ主演で「Re:プレイ(原題はThe I Inside)」という映画にもなったそうです。
事故で記憶を失った男の過去をパズルのように紐解いていくサスペンス作で、主人公サイモン役は「私とおじいちゃん」「トゥルー・ウエスト」のホン・ウジンと「英雄を待って」「ブッとび!ヨンエさん」のカン・ソンのWキャスト、ほかチョン・ビョンウク、ウォン・ジョンファンなど上手い役者が揃ってますよ。

「恋愛時代」 
10月5日~12月29日 大学路自由劇場(旧PMC自由小劇場)
出演:キム・ジェボム、イ・シンソン、チョ・ヨンギュ、シム・ウンジン、ファン・イニョン
⇒故・野沢尚の同名小説が原作。2006年にソン・イェジン、カム・ウソン共演でドラマにもなりました。
離婚後も何かにつけて会っていた元夫婦が、それぞれに新しいパートナーが現れつつも気になってしまう微妙な感情を繊細につづってあります。2011年の初演にはキム・ダヒョンや、リュ・スンワン監督映画の常連でもあるキム・スヒョンがW主演でした。今年は「風月主」などで来日公演も行い大忙しのキム・ジェボムや、元Baby B.O.Xのシム・ウンジンなどが出演。


<今後上演開始の注目演劇>
「父の家」 10月2日~20日 南山芸術センター ドラマセンター
「オクチョッガ」 10月25日~27日 LGアートセンター
「ワーニャおじさん」 10月26日~11月24日 明洞芸術劇場
ダンテの「神曲」 11月2日~10日 国立劇場ヘオルム劇場
「三人姉妹」 11月8日~12月1日 芸術の殿堂 自由小劇場
「ある女性の肖像」 11月19日~12月1日 芸術の殿堂 自由小劇場
「モクラン姉さん」 11月19日~12月29日 ドゥサンアートセンタ Space111
「裵裨將傳(ぺビジャンジョン)」 12月14日~18日 国立劇場ヘオルム劇場


※紹介作品についてのご質問などありましたら、コメント欄からお問い合わせください。
私が分かる範囲でしたら、お答えできると思います。

2013年8月4日日曜日

韓国ミュージカル/演劇 8月のオススメ作品

記事作成が遅くなってしまいすみません。8月のオススメ作品をご紹介します。
先月から始まった作品が継続して公演中、もしくは9月を前に終了する作品が多いですが、中小劇場ミュージカルに、面白そうな作品が入ってきました。
韓国旅行にお越しの際は、一度劇場に足をお運びくださいね~!


作品のタイトルにはすべて韓国のチケットサイト
インターパーク(인터파크) http://ticket.interpark.com/ のリンクを張っています。
詳細情報はリンク先(韓国語)でご確認ください。

日本からチケットを直接買えるのは

VISIT SEOUL (ソウル市観光情報サイト)

●インターパークグローバル(英語版) (日本語版)

※現在は大型作品や話題作のみ直接購入できます。中・小劇場ミュージカルや演劇は、よほどの人気作でない限り、売り切れることは稀ですので当日劇場に行って買えると思います。

※大学路で上演される中小劇場作品は、地下鉄4号線・恵化(ヘファ)駅の4番出口を出てすぐのところにある、「ソウル演劇センター」か、2番出口を出てすぐのところにある「良い公演紹介所」では、ディスカウント価格で当日券を変えるチケット販売所があります。(大学路で上演しているすべての作品を扱っているわけではありませんので要注意)


<8月上演のオススメ作品>
※作品の並びは公演終了日が早い順です。
再演の作品など、私が見たことがある作品は、個人的オススメ度を5段階の★でつけています。

==========【大劇場ミュージカル】=========


「レ・ミゼラブル」
上演中~9月1日 ブルースクエア サムソン電子ホール
出演:チョン・ソンファ、ムン・ジョンウォン、チョ・ジョンウン、キム・ウヒョン、チョ・サンウン
⇒現在日本版も上演中、昨年は映画も大ヒットしたのでストーリーは説明不要かと思います^^
昨年の地方公演からシングルでジャン・バルジャンを演じているチョン・ソンファは今年「ザ・ミュージカルアワード」で主演男優賞を受賞。昨年は「ラ・カージュ」の名演も光り、もはや韓国ミュージカル界には欠かせない人になりました。実は”オルタネート・バルジャン”として時折主演しているアンサンブルのキム・ソンミンが、結構カッコいいバルジャンになっているのをコッソリお伝えしておきます(笑) 韓国の観客にはジャベール役のムン・ジョンウォンが人気のようです。日本版と見比べるのも一興な作品です。※当初25日まででしたが延長公演が決定! 千秋楽は9月1日です。★★★★

「エリザベート」
上演中~9月7日 芸術の殿堂オペラ劇場
出演:オク・チュヒョン、キム・ソヒョン、キム・ジュンス、パク・ヒョシン、チョン・ドンソク
⇒日本では「レミゼ」に並ぶ歴史ある作品なので、私は語るに落ちますが、昨年の韓国初演もなかなか素晴らしかったです。何といっても注目はJYJのキム・ジュンスによる「トート(死)」役ですが、今年は「若きウェルテルの悩み」のチョン・ドンソクと、ドラマ「ごめん、愛してる」の主題歌「雪の華」で日本の韓流ファンにも知られるパク・ヒョシンがトート役に加わりました。ほか、新規加入メンバーはエリザベート役のキム・ソヒョン、ルキーニ役のイ・ジフン、皇太子ルドルフ役のキム・イサクとノ・ジフンです。まだ見に行けていないのですが、パク・ヒョシンのトートがカッコいいと評判。★★★★

「スカーレット・ピンパーネル」
上演中~9月8日 LGアートセンター
出演:パク・コニョン、パク・クァンヒョン、ハン・チサン、キム・ソニョン、パダ、ヤン・ジュンモ
⇒パーシー役のコニョン、クァンヒョン、チサンが3人ともルックス、演技スタイル、歌声と全く違うので、まさに3人3色のパーシーになっています。マルグリッド役には韓国ミュージカル界のトップ女優キム・ソニョンと元S.E.Sメンバーで昨年は「モーツァルト!」にも出演していたパダ。そしてパーシーを追うショーヴラン役は「ジキル&ハイド」「アルセーヌ・ルパン」と近年大作で主演を張っている圧倒的な声の持ち主ヤン・ジュンモと「モーツァルト」のシカネーダ役や「レベッカ」のジャック・ファヴェル役などで注目度上昇中のエノクと、キャストはなかなかの粒ぞろいです。勧善懲悪モノで、コミカルなシーンもふんだんにあるので、観終わった後に爽快感がありますよ。★★★☆

「ジャック・ザ・リッパー」(ソウル公演)
上演中~9月29日 D-CUBEアートセンター
出演:オム・ギジュン、キム・ダヒョン、チ・チャンウク、ソンミン、イ・チャンミン、チョン・ドンハ
⇒昨年、日本初上陸してなかなか好評だった「ジャック」が、城南公演につづいてD-CUBEでソウル公演中です。今回はダヒョン、チャンウク、ドンハと3人の新ジャックも加わっているので気になりますね。城南公演を見ましたが、演出的には昨年とまったく同じと言っていいでしょう。★★★

「アベニューQ」(来韓公演)
8月23日~10月6日 シャーロッテ劇場
⇒日本で2010年に来日公演も行った、ブロードウェイ発のパペットミュージカル。移民が多いエリアとして知られるNYロウワーイーストに街をアルファベットで呼ぶ区域があるのですが、その中の「アベニューQ(Q通り)」のとあるアパートに暮らす人々のひきこもごもをアイロニカルなセリフたっぷりに楽しく描きます。「セサミストリート」のキャラクターをオマージュしたようなパペットを操りつつ、それぞれの俳優が自身の役柄もこなしていたのが凄かった!パペットたちはラブシーンなんかもあったりして、日本公演のときは18禁パペットミュージカルなんて言われていましたが、韓国では15歳以上観覧可となっています。★★★★☆



=========【中・小劇場ミュージカル】=========
「ヘイ!ザナ」
上演中~8月18日 COEXアーティウム 現代カードホール
出演:キム・チャンホ、キム・ジフィ、イ・チャニ、キム・ヨンナム、ソ・ギョンス、パク・ジョンフン
⇒今年2月に「ZANNA ザナ」というタイトルで日本版の公演もあったオフブロードウェイミュージカル。異性のカップルがマイノリティになるほど同性カップルが当たり前の街を舞台に、高校生の男の子ザナが恋のキューピッドとなる学園ミュージカル。
ミュージカル「美男ですね」のテギョン役イ・チャンヒとシヌ役のイ・ジフィ、演劇「ヒストリー・ボーイズ」のキム・チャンホを筆頭に、青春ものや恋愛もののミュージカルを経験したフレッシュな新進俳優が多数出演。とにかく明るく楽しく見られる作品です。

「女神様がみてる」
上演中~8月25日 大学路アートワンシアター1館
出演:キム・ジョング、チェ・ホジュン、イ・ジュニョク、チョン・ウォニョン、ユン・ソホ
⇒朝鮮戦争中、釜山で捕虜になった北の兵士たちを船で移送中に嵐に遭い、船が無人島に漂着。そこで北の兵士と南の兵士の立場が逆転してしまいます。島でサバイバルするなかで、反目しあっていた両国の兵士の心の距離が狭まったきっかけは「女神様」の存在だった!?
本当は「女神様がご覧になっている」というタイトルなんですが、語呂がよくないのでわざと意訳しています^^ 笑ったあとで、最後はジーンとして胸がいっぱいになる、近年の創作ミュージカルのなかで10年に一作、出るか出ないかという感動の秀作です。初演からストーリー、音楽もさらにグレードアップ! 大学路で活躍している旬の若手俳優が揃っています。今年のイチオシ!★★★★★

「スパマロット」
上演中~9月1日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール
出演:ソ・ヨンジュ、チョン・ジュナ、イ・ヨンミ、シン・ウィジョン、チョン・サンフン
⇒さまざまなコメディの元祖と言われる英国の「モンティ・パイソン」のアーサー王伝説のパロディをベースにミュージカル化。日本でもユースケ・サンタマリア主演で上演歴があります。
アーサー王役には「ドクトル・ジバゴ」「ラ・マンチャの男」の名脇役ソ・ヨンジュと、お笑いタレントのチョン・ジュナのWキャスト。ほか、出演者は「ジキル&ハイド」「ラ・マンチャの男」をはじめ、有名ミュージカルに出演歴のある実力派揃い! 劇中で「ジキル&ハイド」「オペラ座の怪人」をはじめ、有名ミュージカルのパロディも多数盛り込まれていて、終始笑いの絶えない作品です。★★★★★

「トゥモロー・モーニング」
上演中~9月1日 KT&G創造アートホール
出演:パク・サンミョン、パク・ソヌ、イ・ソクジュン、ソン・ヨンジン、チョン・サンユン
⇒英国発のハートウォーミング作。今春日本版の上演もありました。結婚前夜のカップルと結婚から10年経ち、離婚寸前のカップルを対比させながら、結婚生活、仕事、育児など人生について考えさせられる良作。ドラマ、映画にも多数出演するパク・サンミョン、ミュージカル「イヤギショー」のMCとしても活躍するイ・ソクジュンや、映画「二つの結婚と一つの葬式」の出演も話題となったミュージシャン兼俳優のソン・ヨンジン。「スリル・ミー」のチョン・サンユン、「風月主」で来日したイ・チャンヨンら確かな演技力と歌唱力をもつ俳優が揃っています。★★★☆

「ハイスクール・ミュージカル」
上演中~9月1日 ブルースクエア サムソンカードホール
出演:カン・ドンホ、リョウク、イ・ジェジン、オ・ソヨン、チョア、ルナ、サンデイ
⇒ディズニーチャンネルのテレビ映画から始まり、世界中で大ヒットした青春ミュージカルを韓国初演。SUPER JUNIORのリョウク、FTISLANDのイ・ジェジン、f(X)のルナなどのK-POPスターの出演が最大の見どころ。加えて、カン・ドンホ、オ・ソヨンらミュージカル界の若手人気俳優も出演しています。

「ミュージック・ボックス」
上演中~9月1日 大学路文化空間フィーリング1館
出演:キム・スヨン、チョン・ウォニョン、ユン・チョウォン、ファン・マニク、クァク・ホウン
⇒「RUN TO YOU~俺たちのストリートライフ」「ミュージック・イン・マイ・ハート」などを手がけ、音楽モノには定評のある若手演出家ソン・ジェジュンの新作ミュージカル。幼い頃に両親を亡くし、辛い少年時代を送り、おもちゃだけが友達だったミンソクが主人公。大人になり、おもちゃデザイナーになった彼が友達である白雪姫、アラジンなど有名な童話のおもちゃたちとの物語をファンタジックに綴ります。ミンソク役には「尹東柱、月を射る」「シャーロック・ホームズ」などに主演したキム・スヨンと「RUN TO YOU~」「ワンドゥギ」「女神様がみてる」などに主演した若手注目株、チョン・ウォニョン。劇中で歌われる曲の原曲はすべてサザンオールスターズの曲で、日本人なら誰もが知っている名曲の数々が素敵にアレンジされて使われています。

「ヘドウィグ」
上演中~9月8日 ペガムアートホール
出演:チョ・スンウ、ソン・チャンウィ、ソン・スンウォン、ク・ミンジン、チョ・ジナ
⇒日本でも「ヘドウィグ&ザ・アングリー・インチ」として映画、ミュージカルが人気ですね^^
旧東ドイツ生まれの青年がアメリカ兵と結婚するため、性別適合手術を受けたものの「怒りの1インチ」が残ってしまった…。主人公のヘドウィグが独白形式で自らの不遇な人生を語るロックミュージカル。韓国でも毎年キャストを変えて再演を繰り返す人気作で、今年は伝説のヘドウィグ、チョ・スンウが奇跡の復活!ほか、ヘド3回目のソン・チャンウィ、初挑戦の新人ソン・スンウォンが出演。
先日、三浦春馬さんも見に行かれたというチョ・スンウさん版は他の2人とは別格というか演出も含めて別モノになっていますが、どの出演者で見ても面白いです。現在、チョ・スンウさん出演分や各キャストの千秋楽のチケットは完売しています。★★★★★

「スリル・ミー」
上演中~9月29日 新村The STAGE
オ・ジョンヒョク、シン・ソンミン、パク・ヨンス、チョン・サンユン、イ・ドンハ、イム・ビョングン
⇒日本のホリプロ版も定評のある男優2人とピアノ伴奏のみで繰り広げられる心理スリラーミュージカル。今年は演出家の栗山民也をはじめ、日本版スタッフの手によりステージセットや演出が大幅に変わっています(逆に日本版をご覧になった方は、ほぼ同じ感じです)。
現在出演中の2次チーム。過去に出演歴があるオ・ジョンヒョク&チョン・サンユンペアは、1次チームでは私(ネイサン)役だったチョン・サンユンさんが、2次チームでは彼(リチャード)役を初めて演じます。
初出演のパク・ヨンス&イム・ビョングンペアはソウル芸術団出身だけあって、安定した歌と演技が光る長身ペア。特にイム・ビョングンさんが演じるリチャードはキム・ムヨル版を彷彿とさせる素敵さ!
そしてシン・ソンミン&イ・ドンハペアは、とにかく2人のルックスが最強! シン・ソンミンさん演じるネイサンはとにかくリチャードを一途に愛している感じ。子犬のように潤んだ彼の瞳で見つめられたらドンハリチャードも思わず優しくしてあげたくなるんじゃないでしょうか(笑)
本作出演後、飛躍した新人が多数誕生した登竜門的作品なので、今年出演した新人たちもブレイク必至です。マニアによるリピート率が高いので、前方の席の確保は若干難しいかもしれませんが、一度ハマると何度でも見たくなる作品です。★★★★★

「パルレ(洗濯)」
上演中~9月29日 大学路アートワンシアター2館
出演:クァク・ソヨン、ホン・ジヒ、パク・ウンミ、キム・ボガン、イ・ジョンウン、チョ・ミンジョン
⇒これまた日本版も評価が高い、韓国の“情”を感じることができる名作です。田舎からソウルに上京して書店員として働くヒロイン、ナヨンと、不法滞在しながら工場で働くモンゴル人青年ソロンゴの恋と人間模様が温かく描かれます。昨年2000回公演を超え、今年で8年目。過去にはホン・グァンホ、キム・ジェボム、ソン・ドゥソプなどの人気俳優を輩出しています。現在のキャストは「グルーミーデイ」「RUN TO YOU~」「宮」のクァク・ソヨン、「グルーミーデイ」「皇太子失踪事件」のキム・ギョンス、「悪い磁石」「ウーマン・イン・ブラック」のキム・ボガンなど注目の若手俳優が揃っています。登場人物たちと一緒に笑って、泣いて、最後は感動で胸がいっぱいになりますよ。★★★★★

「ブラック メリー・ポピンズ」
上演中~9月29日 東国大学イ・ヘラン芸術劇場
出演:キム・ジェボム、イ・ギョンス、パク・ハングン、ユン・ソホ、キム・ドビンほか
ドイツの著名な心理学者の研究対象として養子縁組された4人の少年少女。ある日学者の邸宅が大火災となるが、4人の乳母であるメアリー・シュミットは子供たちを救出。しかしメアリーは翌日忽然と姿を消してしまい、子供たちは散り散りに養子にもらわれていく。それから4年後、再会した4人は…。
タイトルから海外のライセンスものかと思われがちですが、韓国オリジナルのサスペンスミステリー。
昨年の初演では、独特の曲の旋律と振付が印象的で、ミステリー作品としても面白い作品でした。
今年は「風月主」「兄弟は勇敢だった」など出演した作品は必ず当たるキム・ジェボム、「女神様が見てる」「スリル・ミー」「バンジージャンプする」と話題作に次々と出演している若手注目株のユン・ソホなど、初演とはキャストが総入れ替えとなっていますがなかなかいい顔ぶれです。★★★☆

「グーテンベルグ」
8月31日~11月10日 忠武アートホール 中劇場ブラック
出演:ソン・ヨンジン、チャン・ヒョンドク、チョン・サンフン、チョン・ウォニョン
2006年にオフブロードウェイでスタートしたコメディ2人劇「Gutenberg! The Musical」の韓国版初演です。活版印刷の祖として知られるグーテンベルグが実はワイン製造業だった!?というところから始まります。このところ4作品続けて同じ作品に出演しているソン・ヨンジン&チャン・ヒョンドク、コメディの達人チョン・サンフン、快活なイメージが魅力のチョン・ウォニョンと、韓国舞台ファンたちが必ず観たいと思う4人が揃いました。超期待作!


<9月に上演開始の注目ミュージカル>

「トライアングル」9月6日~29日 サンミョンアートホール1館
「アメリカン・イディオット」(来韓公演)9月5日~22日 ブルースクエアサムソン電子ホール
「ボニー&クライド」9月4日~10月27日 忠武アートホール大劇場
「ノートルダム・ド・パリ」9月27日~11月17日 ブルースクエアサムソン電子ホール
「バンジージャンプする」9月27日~11月17日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール


============【演劇】=============
上演中~8月31日 創造アートホール ブルー館
出演:キム・レハ、チャン・ヨンチョル、キム・ワングン、パク・ホサン
⇒初演は1981年。これまでに何度となく再演を繰り返してきた韓国伝統のマダン劇スタイルの一人芝居。初代はチャン・ジン師団の一人でもある味のある名優、チョン・ギュスが演じていたそうで、ほかにもパク・チョルミン、パク・ヘミらが演じていたそうです。今回は「王の男」の原作演劇「イ(爾)」に出演していたキム・レハ、パク・ホサン(「光化門恋歌」「光海」など)をはじめ、4人の俳優が日替わりで登場します。ちなみに「プムパ」とは辞書で探したところ、「パンソリの節に合わせて興をそそる音」のことだそうです。

「ソンニョさんの話」
8月16日~9月15日 大学路ミュージカルセンター 中劇場
出演:コ・スヒ、イ・ジェウン、イム・ホ、チン・ソンギュ、ハン・ガプス
⇒第30回全国演劇祭で大賞ほか5冠を達成した名作演劇。幼い頃から母親の言うことを聞かず、長年家を出ていた息子ジョンウ。母の葬式のため15年ぶりに戻ってきた彼が母の遺影を前に語ったこととは…。
鄭義信作品の常連で、名作演劇の数々に主演してきたコ・スヒをはじめ、「宮廷女官 チャングムの誓い」のグルメな中宗王役が人気だったイム・ホ、映画「犬たちの戦争」でキム・ムヨルの親友役を演じていたチン・ソンギュなど、演技派俳優が勢ぞろいしていて期待大です。

「模範生たち」
上演中~9月29日 大学路自由劇場(旧PMC自由劇場)
出演:チャン・ヒョンドク、ユン・ナム、キム・デヒョン、パク・ソンフン、キム・ソンイル
⇒とある進学校を舞台に、いい成績を取るためには手段を選ばない高校生たちの姿をシビアに描いた群像劇。「スリル・ミー」「ママ、ドント・クライ」「悪い磁石」など話題作に次々と主演して評価が上昇しているチャン・ヒョンドクや「ヒストリー・ボーイズ」に出演していたパク・ソンフン、イム・ジュンシク、「ブラック・メリー・ポピンズ」「チョンガンネ」などに出演したユン・ナム、「悪い磁石」「あの日々」に出演したキム・デヒョンらが出演。演出は「ブルックリン」「ヒストリー・ボーイズ」のキム・テヒョン。この作品も若手俳優の登竜門になっています。★★★☆
※9月1日終了予定でしたが、若干キャストが入れ替わり29日まで延長公演となりました。

「ウーマン・イン・ブラック」
上演中~9月22日 トンスン・アートセンター小劇場
出演:キム・イソン、ホン・ソンドク、キム・ギョンミン、キム・ボガン
⇒昨年、同名原作の映画が、「ハリポタ」のダニエル・ラドクリフ主演で日本でも公開された、2人芝居のスリラー劇。黒い服を着た女性の悪夢に苦しめられてきた主人公アーサーを映画「豚が井戸に落ちた日」「南営洞1985」のキム・イソンと07年の初演から出演するホン・ソンドク。アーサーが自分の体験を基に制作する演劇の主演俳優役をホン・ソンドクと共に本作を演じてきたキム・ギョンミンと「パルレ(洗濯)」でソロンゴ役として出演中のキム・ボガンが演じています。どのキャストで見ても面白いですが、やはり初演から出演しているホン・ソンドク&キム・ギョンミンの組み合わせは抜群に上手かったです!★★★★

「劇的な一夜」
上演中~10月13日 大学路ソリアートホール1館
出演:ウォン・ジョンファン、チョン・ソンイル、チュ・ミンジン、チェ・ソンファほか
⇒韓国ドラマでもよくありますが、酔った勢いで一夜を過ごしてしまう、いわゆる”ワン・ナイト・スタンド”をやってしまった男女を描いたラブコメディ。下着姿やベッドシーンなどセクシーな描写があるため、19歳以下観覧不可となっていますが、それほど刺激的でもなく楽しく見れる程度です(笑)。
「風月主」「ブッとび!ヨンエさん」などに出演していたウォン・ジョンファン、「女神様が見てる」でブレイクしたチュ・ミンジンなど、この作品にピッタリなコメディの上手いキャストが揃っています。★★★


<9月上演開始の注目演劇>

「父と私と紅梅と」9月10日~10月6日 白波アートセンターホワイトホール
「クローサー」8月31日~12月1日 大学路アートワンシアター1館
●「鉱夫画家たち」9月13日~10月13日 明洞芸術劇場


※紹介作品についてのご質問などありましたら、コメント欄からお問い合わせください。
私が分かる範囲でしたら、お答えできると思います。

2013年7月13日土曜日

韓国ミュージカル/演劇 2013年下半期スケジュール

公演情報データベースPlay DBで今年下半期のスケジュールがアップされました。⇒元記事
これをベースに今後の上演予定を作成しました。
韓国語をお分かりの方はPlay DBをご覧になったほうが早いと思いますが、これからの観劇旅行予定に役立てばとミニ解説つきでご紹介します。
すでに公演中・発売開始した作品にはチケットサイト、インターパークのリンクを張っています。
それ以外は、今後日程が変更になる作品も出てくるかと思いますのでご注意ください。
韓国の公演予定はあくまで予定(笑)です^^

当リストは商用サイトへの流用は厳禁。個人ブログなどへの無断流用はお断り致します。
ご理解をお願いいたします。


<ミュージカル>
「太陽を抱く月」(ソウル公演)
公演中~7月31日 芸術の殿堂 CJトウォル劇場
⇒昨年キム・スヒョンが大ブレイクするきっかけとなった大ヒットドラマをミュージカル化。
ストーリーはドラマより原作小説に近い内容だそうです。

「シカゴ」
公演中~8月31日 国立劇場 ヘオルム劇場
⇒ベテラン女優総出演の定番ミュージカル。今年は、現在ドラマ「鮫」に出演中のイ・ハニさんも出演。

「女神様が見てる」
公演中~8月31日 大学路アートワンシアター1館
⇒個人的にこの夏イチオシの小劇場ミュージカルです。作品のクオリティ、ストーリーなど韓国小劇場作品の良さが全面に出ています。出演している若手俳優たちは今後ブレイク必至の有望株揃い。

「ハイスクール・ミュージカル」
公演中~9月1日 ブルースクエア サムソンカードホール
⇒アメリカのテレビ映画から世界的人気となったミュージカルを韓国初演。人気アイドルの出演も話題です。K-POPファンは必見!

「MUSIC BOX」
公演中~9月1日 大学路文化空間フィーリング1館
⇒少年の心を持ったミンソクが主人公のファンタジー作品。劇中使われる曲の原曲はすべてサザン・オールスターズのもの。劇中で「エリー」という名前の女性が登場したり、と、日本人なら誰もが知っているサザンの曲世界を韓国ミュージカル作品として楽しめます。

「スパマロット」
公演中~9月1日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール
⇒英国発コメディの金字塔「モンティ・パイソン」のスキットから誕生したミュージカル。2年前に日本版が上演されましたが、韓国は2回目の再演。韓国ミュージカル界が誇る実力派俳優が揃い、さまざまな有名ミュージカルのパロディを盛り込みつつ抱腹絶倒の作品です。激オススメ!

「スカーレット・ピンパーネル」
公演中~9月8日 LGアートセンター
⇒宝塚版が大人気だった同作を韓国初演。パーシーとショーヴランの攻防が見ものです。コミカルなシーンも多く、観終った後の爽快感もあり、年齢を問わず楽しめる作品になっています。

「ヘドウィグ」
公演中~9月8日 ペガムアートホール
⇒毎年再演されている人気作。今年は伝説のヘドウィグ、チョ・スンウの奇跡の復活(ただしチケット入手困難;;)が話題ですが、どのキャストで見ても面白いです。とくに新人ソン・スンウォンの細腰&美脚は女優越えの美しさです^^

「ヘイ、ザナ!」
公演中~9月15日 COEXアーティウム 現代アートホール
⇒今年「ZANNA ザナ~a musical faily tale」と題して日本版も上演された学園ミュージカル。韓国ではタイトル、演出を変えて2回目の再演です。「美男ですね」「コーヒープリンス1号店」に出演したキム・ジフィ、「ヒストリー・ボーイズ」のキム・チャンホが恋のキューピッド、ザナ役を可愛く演じています。

「トゥモロー・モーニング」
公演中~9月29日 KT&G創造アートホール
⇒今年、シアタークリエで日本版も上演されたヒューマン作品。結婚前夜、離婚前夜の2つのカップルの揺れる心模様を韓国ミュージカル界の実力派俳優たぢが、しっかりと見ごたえのある演技で見せてくれます。

「スリル・ミー」
公演中~9月29日 新村The Stage
⇒日本版も舞台ファンにはすっかり浸透した感のあるスリリングな男性2人芝居のミュージカル。
7月27日から2次キャストとなり、3組の新しいコンビで9月まで上演します。これからの韓国ミュージカル界を背負う若手俳優が揃っているので要チェックです!

「パルレ(洗濯)」
公演中~9月29日 大学路アートワンシアター2館
⇒日本版公演も再演を繰り返して好評でした。今年で8年目を迎えたロングランヒット作。韓国の社会問題をリアルに反映しつつ、笑って泣ける名作です。「パルレ」を見ていなければ、韓国ミュージカルファンを自称できない、と言っておきましょう^^ それほどの定番作です。

「ジャック・ザ・リッパー」
7月16日~9月29日 D-CUBEアートセンター
⇒昨年の日本公演も話題となったサスペンスミュージカル。今年は主人公ダニエル役にキム・ダヒョン、チ・チャンウク、チョン・ドンハと3人が初登場しています。

「飯炊き詩人、広がる愛」
7月24日~8月9日 世宗文化会館 大劇場
⇒ソウル市ミュージカル団による大型公演。無料給食奉仕活動を続けた牧師夫妻の実話をもとにした原作小説を舞台化。ミュージカル初挑戦のカン・ソンヨンやカン・ピルソクをはじめとするソウル市ミュージカル団の実力派俳優が揃っています。

「エリザベート」
7月26日~9月7日 芸術の殿堂 オペラ劇場
⇒何といってもJYJキム・ジュンスの再登場が話題ですが、「若きウェルテルの悩み」のチョン・ドンソクや、歌手のパク・ヒョシンなど新たにトート役に挑む俳優たちにも注目です。

「ミスター温祚(オンジョ)」
7月26日~9月1日 弘益大 大学路アートセンター
⇒ドラマ「朱蒙」にも登場したソソノの息子で、百済を建国した温祚(オンジョ)王の物語をミュージカル化。歌手のホン・ギョンミン、「若きウェルテルの悩み」でアルベルト役だったイ・サンヒョンらが出演。

「ブラック メリー・ポピンズ」
8月1日~9月29日 東国大 イ・ヘラン芸術劇場
⇒俳優キム・スロが立ち上げた舞台シリーズ”キム・スロプロジェクト”第3弾作品。シッターだった「メリー・ポピンズ」の物語をベースに、サスペンススリラーに仕上げた韓国オリジナル作を再演。独特の振付やミステリアスな音楽がとても新鮮な作品でした。「風月主」キム・ジェボム、「女神様が見てる」「スリル・ミー」で人気上昇中のユン・ソホらが出演。

「グリース」
8月13日~オープンラン 大学路ユニプレックス
⇒オ・マンソク、イ・ソンギュン、カン・ジファン、オム・ギジュン、コ・ヨンビン、キム・ムヨル、チョ・ジョンソク、チョン・サンユン……と、この作品を通っていないミュージカル俳優はいないんじゃないかというくらいの定番作。今回の再演ではひさびさに大学路に戻ってきます。

「トライアングル」
8月13日~11月3日 大学路ユニプレックス2館
⇒パルコ劇場制作による、蓬莱竜太作「Triangle~ルームシェアのススメ」の韓国版が待望の再演。初演には、チェ・ジェウン、キム・スンデらが出演していました。今年は誰が?

「シャドウランド」(来韓公演)
8月21日~25日 忠武アートホール 大劇場
⇒人体で影絵をつくるパフォーマンス集団「PILOBOLUS(ピロボラス)」のワールドツアー公演。
過去に来日公演歴もあるようですね。

「アベニューQ」(来韓公演)
8月23日~10月6日 シャーロッテ劇場
⇒3年前に来日公演も行った、アダルト版(!?)セサミ・ストリート的パペットミュージカル。
パペットを操りながら演じる俳優たちが凄いです! セサミファンは必見^^

「グーテンベルグ」
8月31日~11月10日 忠武アートホール中劇場ブラック
⇒活版印刷の祖、グーテンベルグ兄弟が実はワイン醸造業者だった!?というストーリーで展開するオフブロードウェイミュージカルを韓国初演。スタンダップコメディ的作品の2人芝居なのですが、万能選手の若手4俳優が出演するとあって、かなりの注目作です!

「ボニー&クライド」
9月3日~10月27日 忠武アートホール大劇場
⇒映画「俺たちに明日はない」の犯罪者カップルを田代万里生&濱田めぐみが演じた日本版も話題となったミュージカルを韓国初演。キャストはまだ公開されていませんが、オム・ギジュンが出演するとフライングで言ってます(笑)

「アメリカン・イディオット」(来韓公演)
9月5日~22日 ブルースクエア サムソン電子ホール
⇒アメリカのパンクバンド、グリーンデイの同名アルバムをベースにしたロックミュージカル。
8月7日から行われる来日公演を経て、韓国にやってきます。

「ドリーム・ガールズ」
9月6日~10月27日 CGV新韓カード ポップアートホール
⇒ビヨンセ主演映画が大ヒットした同名ミュージカルの韓国版を4年ぶりに再演。初演時はホン・ジミン、チャ・ジヨン、チョン・ソナとダイナマイトヴォイスの女優たちが圧倒的な歌唱力で魅了しました。

「バンジージャンプする」
9月27日~11月17日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール
⇒イ・ビョンホン主演の名作映画を舞台化した創作ミュージカルを再演。昨年の初演は、個人的年間ベスト5に入る素晴らしい出来。カン・ピルソク&チョン・ミド組の演技が素晴らしく、特に現在「スリル・ミー」に出演中のイ・ジェギュンが秀逸でした。再演にも期待しています!

「ノートルダムの鐘」
9月27日~11月17日 ブルースクエア サムソン電子ホール
⇒昨年のパリオリジナルツアーチームの来韓公演も話題でした。韓国版は4年ぶりの再演。過去にパク・ウンテ、ユン・ヒョンリョル、ムン・ジュンウォンなど実力派の豪華顔ぶれが出演していましたが、今年のキャストにも期待ですね!

「オー!あなたが寝てる間に」
9月~2014年3月16日 大学路芸術広場1館
⇒「女神様が見てる」を制作した劇団ヨヌ舞台が05年に初演して定番化した小劇場ミュージカル。過去には「キム・ジョンウク探し」の伝説のマルチマン、チョン・ビョンウク、「風月主」のキム・ジェボム、「女神様が見てる」のシン・ソンミン、チェ・ホジュンなども出演していた作品です。

「飛べ!パク氏」
10月9日~11月25日 梨花女子大学 サムソンホール
⇒昨年ソウルミュージカル・フェスティバルで受賞し、本公演を上演。公演終盤は完売する日も続出した注目作です。今年は劇場の規模がいきなり3倍増となってますが、果たしてどういう風にグレードアップしているのか楽しみです。

「ヨセフ・アメイジング・テクニカラー・ドリームコート」
10月31日~2014年1月26日 大学路ミュージカルセンター 大劇場
⇒「ジーザス・クライスト・スーパースター」のアンドリュー・ロイド・ウェーバー&ティム・ライスによる作品を今年2月に初演。ソン・チャンウィ、ZE:Aのシワンらが主演して、作品のクオリティ的には悪くなかったものの、それほど注目を受けられずに終わってました。再演ではどうなるかな?

「ガイズ&ドールズ」
11月1日~2014年1月12日 BBCアートホール
⇒韓国題を直訳すると「お嬢さんとごろつきたち」となりますが、過去にはリュ・ジョンハン、キム・ムヨル、チョン・ソナ、オク・チュヒョンなど錚々たる顔ぶれが出演しています。BBCアートホールは、狎鴎亭にできた新しい劇場とのこと。こけら落とし公演になるのかな?

「風月主」
11月9日~2014年2月16日 トンスンアートセンター トンスンホール
⇒昨年初演して、完売続出した架空の男妓生が主人公の創作ミュージカル。アミューズ・ミュージカル・シアターでの来日公演も行われましたね。再演のキャストがどうなるのか楽しみです。

「壁抜け男」
11月13日~2014年1月26日 弘益大 大学路アートセンター
⇒劇団四季版もおなじみのフレンチミュージカル。今年、イ・ジョンヒョク&イム・チャンジョン主演で上演されましたが、音楽のアレンジが良かったです。過去にはオム・ギジュン、パク・サンウォンなどが主演していた作品です。

「ブッとび!ヨンエさん」
11月15日~2014年1月12日 KT&G創造アートホール
⇒日本のMnetでも放送中の同名ドラマをミュージカル化。太目のアラサーOL、ヨンエのリアルなオフィス&ラブライフが同世代の女性に支持されています。舞台版もドラマと劣らぬ楽しさがあり、個人的に大好きな作品です。

「ゴースト」
11月24日~2014年6月 D-CUBEアートセンター
⇒デミ・ムーア&パトリック・スウェイジ主演で大ヒットした映画を英国でミュージカル化。今回初演となる韓国版は久々のミュージカル出演となるチュウォン、日本版「レミゼ」のキム・ジュンヒョン、韓国版「レミゼ」のアンジョルラス、キム・ウヒョンのトリプルキャスト。

「ウエディング・シンガー」
11月26日~2014年2月9日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール
⇒アダム・サンドラ―&ドリュー・バリモア主演で、80sポップスをふんだんに盛り込んだ大ヒット映画のミュージカル版。韓国版はファン・ジョンミン&パク・コニョンのW主演で話題を呼びました。今年のキャストにも注目ですね。

「チング」
11月末 釜山映画の殿堂 ハヌル演劇場
⇒「友へ チング」のクァク・キョンテク監督が自ら制作するミュージカル。クァク監督は現在映画「チング2」を撮影中ですね。日本公演も視野に入れているそうで、どんなキャストになるのか楽しみです。

「ウィキッド」
11月末 シャーロッテ劇場
⇒劇団四季版で日本ではおなじみ。昨年の来韓オリジナルツアー版は高額チケットにもかかわらず完売続出しました。今年は韓国版を初上演となります。

「若きウェルテルの悩み」
12月3日~2014年1月12日 芸術の殿堂 CJトウォル劇場
⇒今年1月の来日公演をご覧になった方も多いでしょう。今回の再演では、かつてこの作品を演出したチョ・グァンファ先生のカムバックが決定しています。ある意味原点回帰か?

「カルメン」
12月3日~2014年2月23日 LGアートセンター
⇒フランク・ワイルドホーン音楽によるチェコミュージカルの韓国版を初上演。間違いなく一級の俳優が出演するでしょう。

「マンマ・ミーア!」(来韓公演)
11月26日~2014年3月23日 ブルースクエア サムソン電子ホール
⇒劇団四季版もおなじみの作品。韓国ではチェ・ジョンウォン、チョン・スギョン、イ・ギョンミ、パク・ヘミらベテラン女優が揃い、2004年から上演していますが、10周年を記念してオリジナル版が来韓公演を行います。

「ディセンバー(仮題)」
12月14日~2014年1月5日 世宗文化会館 大劇場
⇒96年に夭折した伝説のフォーク歌手、キム・グァンソクの生誕50年である今年。彼の音楽をフィーチャーしたミュージカル「あの日々」が好評のうちに終了しましたが、こちらは映画監督&劇作家のチャン・ジン監督が作・演出を手がける、もう一つのキム・グァンソクをフィーチャーしたミュージカル。ミュージカルは初演出となるチャン・ジン監督の手腕やいかに。有名俳優も出演するのでは?と予想しています。


<演劇>

「ヴォイツェック/ヒューマン・コメディ」
上演中~7月28日 明洞芸術劇場
⇒今年5月に世田谷パブリックシアターで来日公演も行われました。⇒詳細
俳優のぺク・ウォンギルが演出を務める「はしごの動き研究所」が2001年に制作し、世界21カ国で上演された作品を5年ぶりに韓国で公演。

「個人の趣向」
上演中~オープンラン 大学路ハーモニーアートホール
⇒原作は同名恋愛小説。イ・ミンホ&ソン・イェジン主演のドラマも人気となった作品を舞台化。
若手俳優が多数出演していて、気軽に見られる、デートにピッタリって感じの作品です。

「アンニョン、マイ・バタフライ」
上演中~7月28日 芸術の殿堂 自由小劇場
⇒今年で演劇生活50周年を迎えた、韓国演劇界の大女優ソン・ソク主演の記念公演。共演に、チャン・ジン作品の常連俳優“チャン・ジン師団”の一人として知られるキム・ウォネ。

「泗川歌(サチョンガ)」
上演中~8月4日 忠武アートホール 中劇場ブラック
⇒今月のオススメにも書きましたが、パンソリ界の若き名唱(ミョンチャン)、イ・チャラムが作・演出・主演を手がけるモダンなパンソリ劇。私も見に行きます~^^

「私とおじいちゃん」
上演中~8月4日 情報小劇場
⇒ドラマ「職業の神」「ザ・ウイルス」に出演。ドラマ「魔王」でロン毛のキム・スンギ役が強烈だったオ・ヨンと、キム・ムヨル主演映画「犬たちの戦争」で好演していたチン・ソンギュがW主演。ほか「模範生たち」「悪い磁石」「トゥルー・ウエスト」のホン・ウジンなど、なかなか気になるキャストが出演しています。

「プムパ」
上演中~8月31日 創造アートホール ブルー館
⇒初演は1981年。これまでに何度となく再演を繰り返してきた韓国伝統のマダン劇スタイルの一人芝居。「王の男」の原作演劇「イ(爾)」に出演していたキム・レハ、パク・ホサン(「光化門恋歌」「光海」など)をはじめ、4人の俳優が日替わりで登場します。ちなみに「プムパ」とは辞書で探したところ、「パンソリの節に合わせて興をそそる音」のことだそうです。

「模範生たち」
上演中~9月1日 大学路自由劇場(旧PMC自由劇場)
出演:チャン・ヒョンドク、ユン・ナム、キム・デヒョン、パク・ソンフン、キム・ソンイル
⇒とある進学校を舞台に、いい成績を取るためには手段を選ばない高校生たちの姿をシビアに描いた群像劇。チャン・ヒョンドク、パク・ソンフン、イム・ジュンシク、ユン・ナム、キム・デヒョンらが出演。演出は「ブルックリン」「ヒストリー・ボーイズ」のキム・テヒョン。若手俳優の登竜門的作品。

「ウーマン・イン・ブラック」
上演中~9月22日 トンスンアートセンター小劇場
⇒同名原作の映画が、「ハリポタ」のダニエル・ラドクリフ主演で日本でも公開された、2人芝居のスリラー劇。映画「豚が井戸に落ちた日」「南営洞1985」のキム・イソン、「パルレ(洗濯)」でソロンゴ役として出演中のキム・ボガンなど、4人の俳優が演じています。

「劇的な一夜」
7月19日~10月13日 大学路ソリアートホール
⇒09年に初演。いわゆる“ワン・ナイト・スタンド”のカップルを描いた2人芝居です。ちょっとセクシーなシーンもあり、R指定となっています(笑) 今年は「女神様が見てる」のイケメン、チュ・ミンジンらが出演。過去に「風月主」のキム・ジェボム、「太陽を抱く月」に出演中のソン・ドゥソプなども出演していました。

「欲望という名の列車」
8月13日~9月1日 明洞芸術劇場
⇒テネシー・ウィリアムズの有名戯曲を演戯団コリぺの看板女優、キム・ソヒ主演で上演。演出も同劇団のチェ・ユンイル。

「真夏の夜の夢」
8月15日~31日 南山国劇団
⇒シェイクスピアの同名戯曲を韓国の唱劇(チャングク)スタイルで上演。海外公演も多数行っているようです。

「クローザー」
8月30日~12月1日 大学路アートワンシアター
⇒2005年の初演には今や映画俳優になってしまったパク・ヒスンらが主演。2010年版はオム・ギジュンと演劇初挑戦となったムン・グニョンの共演が話題となりました。当時はキジュン氏が「タイプの女性はムン・グニョン」と発言して大騒ぎとなったりしてましたが(笑)、さて今年はどんなキャストに!?

「鉱夫画家たち」
9月13日~10月13日 明洞芸術劇場
⇒「ビリー・エリオット」の作家リー・ホールによる戯曲。2010年の初演を見に行きましたが、その時はユン・ジェムン、クォン・ヘヒョ、ムン・ソリなど映画、ドラマ界でも活躍している有名俳優が多数出演していました。演出イ・サンウ。

「テンペスト」
10月1日~3日 LGアートセンター
⇒ロシアチェーホフ国際演劇フェスティバル制作作品の来韓公演。演出は英国の演出家/映画監督のデクラン・ドネラン。

「かもめ」
10月1日~11月9日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒チェーホフの代表的戯曲「かもめ」(韓国語は갈매기)を、ソン・ギウン脚色、「東京デスロック」の多田淳之介演出で上演。

「ザ・コロス オイディプス」
10月9日~20日 LGアートせンター
⇒2011年に同劇場で初演して好評だった作品を再演。「女神様が見てる」のパク・ヘス、イム・チョルスや、「アサシンズ」「ネクスト・トゥ・ノーマル」のパク・インベなど渋い実力派俳優たちが揃っています。ん~これは観ないと~!

「オクチョッガ」
10月25日~27日 LGアートセンター
⇒タイトルをハングルで「억척가」と書くのですが、억척とは韓国語で“たくましい、粘り強い”という意味があります。若きパンソリの名手、イ・チャラムが作・演出・主演するパンソリ・ブレヒトシリーズ。「肝っ玉おっ母とその子供たち」を歌い上げます。いつも即完売する人気公演。

「ワーニャおじさん」
10月26日~11月24日 明洞芸術劇場
⇒チェーホフの有名戯曲ですね。詳細未定。演出はイ・ソンヨル。

「恋愛時代」
10月 大学路自由劇場
⇒韓国でドラマ化もされた故・野沢尚の原作を舞台化。2011年の初演はキム・ダヒョン、キム・スヒョンらが出演していました。

「三人姉妹」
11月7日~14日 芸術の殿堂 自由小劇場
⇒⇒チェーホフ三大戯曲のうちの1作。ロシア、サンクトペテルブルクのマリ(インスキー?)劇場による来韓公演。

「ある女性の肖像」
11月19日~12月1日 芸術の殿堂 自由小劇場
⇒詳細未定ですが、タイトルからしてヘンリー・ジェイムスの同名小説が原作かな? ジェーン・カンピオン監督、ニコール・キッドマン主演の同名映画にもなりました。

「モクラン姉さん」
11月19日~12月29日 ドゥサンアートセンター Space111
⇒昨年同劇場で上演されて話題を呼んだ作品を再演。脱北したモクランを主人公に南北問題を取り上げています。

「戦場を盗んだ女たち」
11月19日~12月8日 国立劇場 ヘオルム劇場
⇒デビュー2作目で韓国演劇界の権威である東亜演劇賞を20代で受賞し“怪物作家”と呼ばれている、キム・ジフン脚本家の新作。演出は、キム脚本家も所属する演戯団コリぺのキム・グァンポ。昨年、彼が脚本を手がけた「風餐露宿(풍찬노숙)」という作品を見に行きましたが、難解なセリフが多くてチンプンカンプンながら(笑)なかなか面白い作品でした。

「ピローマン」
11月20日~12月15日 忠武アートホール 中劇場ブラック
⇒英国の劇作家マーティン・マクドナーの戯曲。日本では2004年に長塚圭史演出で上演。韓国初演は2007年にチェ・ミンシク、ユン・ジェムンら豪華キャストでした。昨年の5年ぶりの再演はキム・ジュンウォン、ソン・ジュンハクら実力派俳優たちの熱演に圧倒されました!

「幻想童話」
12月3日~15日 大学路芸術劇場 大劇場
⇒今年で誕生から10年。音楽家の青年とダンサーの女性のカップルの愛を3人のピエロが助けるファンタジックな物語。今年3月~5月の公演には「女神様が見てる」「スリル・ミー」のイケメン、シン・ソンミンが出演していました。

「恵慶宮 洪氏」
12月14日~29日 国立劇場 ヘオルム劇場
⇒朝鮮王朝21代王英祖(ヨンジョ)によって処刑された息子、思悼世子(サドセジャ)の正室が洪氏。のちにドラマ「イ・サン」でおなじみ、22代王、正祖(チョンジョ)の母となる人ですね。脚本は演戯団コリぺ代表イ・ユンテク、イ・ビョンフン演出。

「ステディ・レイン」
12月21日~2014年1月29日 忠武アートホール 中劇場ブラック
⇒2009年に「レ・ミゼラブル」のヒュー・ジャックマンと「007」シリーズの最新ボンド、ダニエル・クレイグが共演していたというブロードウェイ作品。親友の警察官2人に起こる悲劇を描く台詞劇なんだそうです。さて、韓国版を誰が演じるんでしょうか?

「レッド」
12月20日~2014年1月26日 芸術の殿堂 自由小劇場
⇒アメリカの劇作家ジョン・ローガン作で2010年のトニー賞の作品賞など6部門を受賞。2011年の韓国初演ではカン・シニル&カン・ピルソクで上演されています。ロシア出身の画家、マーク・ロスコとその助手ケンの物語。

「ハムレット」
12月 明洞芸術劇場
⇒詳細未定。オ・ギョンテク演出。


こうやってラインナップを見てみると、年頭に私がアップしたミュージカルや演劇リストからだいぶ変わっていますね。ライセンス作品の韓国初演や、創作ものの新作は少ない印象があります。
このリストに上がっていなくても、良い作品が出てきたらツイッターで随時紹介していきます。

来日公演するミュージカル作品が増えていますが、一度は本場韓国で、劇場や観客の雰囲気も含めて体感すると、また違った印象で楽しめますよ!