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2013年1月13日日曜日

2013年 韓国公演ラインナップ 演劇編


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 続いては演劇の2013年ラインナップです。
演劇はミュージカルに比べると作品数少な目ですが、演劇は制作規模が小さいものが多いので、年間計画を発表できる大型劇場以外は早めに情報が出ないのが残念です。
しかし何よりも、韓国舞台俳優の素晴らしさを体感できるのが演劇です。役者の資質と演技力がモノを言う世界、歌でごまかせませんからね(笑)

下の写真は、上半期の期待作と言われている新作「ヒストリー・ボーイズ」の面々です。

「老いた泥棒の話」 늘근도독 이야기
1月8日~3月3日 大学路アートワンシアター
⇒劇団チャイムの作品群でおなじみイ・サンウ先生脚本による名作演劇。2人の老いた泥棒のとぼけた演技が笑える作品。

「シア・マッドネス」 쉬어 매드니스
1月8日~オープンラン 大学路文化空間フィーリング2館
⇒「シア・マッドネス美容室」を舞台に繰り広げられるコメディ推理劇。米ボストンで1980年に初演した作品を2006年に韓国初演、今年で5回目の再演。今回は昨年の「ピローマン」で圧巻の演技を見せていたイ・ヒョンチョルほか、なかなかの実力派揃い。

「ぼくに炎の戦車を」 늘나에게 불의 전차를
1月30日~2月3日 国立劇場ヘオルム劇場
出演:草なぎ剛、チャ・スンウォン、広末涼子、香川照之、高田翔、キム・ウンスほか
⇒昨秋の日本公演が話題となった作・演出、鄭義信さんによる演劇。

「ヨーロッパ・ブログ」 유럽불로그
2月1日~5月31日 大学路文化空間フィーリング1館
出演:キム・スロ、キム・ジェボム、ソン・ドゥソプ、チョ・ガンヒョンほか
⇒キム・スロ率いる「ロ・ブラザーズ」の所属俳優総出演。昨年、ヨーロッパに弾丸旅行に行ってきた皆さんが、旅行中に起こった出来事をお芝居にして見せてくれます。

「Amy's View」 에이미
2月15日~3月10日 明洞芸術劇場
出演:ユン・ソジョン、イ・ホジェ、チョン・スンギル、キム・ビョニ
⇒英国の劇作家デイヴィッド・ヘアの戯曲が原作。舞台女優の母と、母には気に入られていない恋人との間で揺れる娘エイミーの話。日本でも劇団民藝が奈良岡朋子主演で上演歴があります。

「トゥルー・ウエスト」 트루웨스트
2月21日~5月5日 SMアートホール
出演:チョン・ムンソン、キム・ジョング、チャン・ジウ、ホン・ウジン、イ・ドンハ、パク・ウンソクほか
⇒かつてTOKIO松岡&嵐・大野で上演されたこともあるサム・シェパードの戯曲。流浪の末、家に戻った兄リーとエリートの脚本家の弟オースティンが久々に再会したことから話が始まります。2010年公演時にはオ・マンソク、イ・ゴンミョン、チョ・ジョンソクなどなかなかの豪華キャストでした。

「光海、王になった男」 광해, 왕이 된남자
2月23日~4月21日 トンスンアートセンター大劇場
出演:ペ・スビン、キム・ドヒョン、パク・ホサン、キム・デジョン、ソン・ジョンハクほか
⇒イ・ビョンホン主演の大ヒット映画を、BH Entertainmentが自ら舞台化。そして主演はBH所属俳優ペ・スビン! とBHEづくしw 助演俳優は実力派演劇俳優で固めてあります。

「幻想童話」 환상동화
3月1日~5月26日 大学路アートワンシアター2館
⇒音楽家の青年とダンサーの女性のカップルの愛を3人のピエロが助けるファンタジックなお芝居です。2007年から再演を繰り返しています。3年ぶりの登場。

「3月の雪」 3월의 눈
3月1日~23日 ペク・ソンヒ チャン・ミンホ劇場
⇒昨年、大ベテランのパク・グニョン先生の出演が話題となり完売続出した老夫婦の物語。
ペ・サンシク作、ソン・ジチェク演出。

「青い船の話」 푸른 배 이야기
3月5日~24日 国立劇団小劇場 幕
⇒「焼肉ドラゴン」「パーマ屋スミレ」などヒット作が続く鄭義信さん作・演出作。

「ヒストリー・ボーイズ」 히스토리 보이즈
3月8日~31日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール
出演:イ・ジェギュン、キム・チャンホ、アン・ジェヨン、チェ・ヨンミン、オ・デソクほか
⇒トニー賞受賞の名作を韓国初演。上半期最高の期待作です。昨年のミュージカル「バンジージャンプする」で好演していたイ・ジェギュンをはじめ、将来有望な若手俳優が揃ってます。

「マクベス」 맥베스
3月15日~3月17日 明洞芸術劇場
出演:野村萬斎、秋山奈津子、高田恵篤、福士惠二、小林桂太
⇒世田谷パブリックシアターで2年ぶりに2月から上演される作品の来韓公演。野村萬斎のトークショーや狂言のワークショップもあるそうですよ。これは見に行きたい~!

「Current Location」 
3月22日~27日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒チェルフィッチュ主宰、岡田利規の作・演出による「現在地」の韓国版を上演。
平田オリザさんの作品をよく上演しているドゥサンらしいセレクトではないでしょうか^^

「Love, Love, Love」 러브러브러브
3月27日~4月21日 明洞芸術劇場
⇒英国の若手劇作家、マイク・バートレットが2011年に英国演劇賞最高作品賞を受賞した作品。
韓国で88万ウォン世代と言われるベビーブーム世代を描くそうで、演出はイ・サンウ。

「(不明^^;)」 라오지앙후 최막심
5月1日~27日 明洞芸術劇場
⇒ギリシャの作家、ニコス・カザンザキスの小説「その男、ゾルバ」の韓国的再解釈。
ヤン・ジョンウン演出 ペ・サンシク翻案。タイトルをどう訳していいか分からないので保留(笑)

「三人姉妹」 세자메
4月10日~12日 LGアートセンター
⇒チェーホフ三大戯曲のうちの1作。ロシア、サンクトペテルブルクのマリ(インスキー?)劇場による来韓公演。

「We're Gonna Die」 
4月11日~14日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒オフブロードウェイで活躍する気鋭の女性アーティストイ・ヨンジン作・演出の作品。プロフィールを調べてみると、なかなかアヴァンギャルドな活動をしている方のようですよ。Future Wifeっていうバンド形式のパフォーマンスのようです。HPでは、なんとあのルー・リード御大がレコメンド。私の好きなNY系アーティストとの交流もあるようで注目しています^^

「アンティゴネー」 안티고네
4月15日~28日 芸術の殿堂 CJトウォル劇場
⇒オイディプス王の娘、アンティゴネ―を題材にしたギリシャ悲劇が原作。演出ハン・テスク。
芸術の殿堂25周年記念作。

「タイトル未定(イ・ギョンソン新作)」 
4月23日~5月18日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒「あなたのソファを移動します」で東亜演劇賞の受賞歴もあるクリエイティブ・バクーを主宰する気鋭の若手演出家、イ・ギョンソンの新作。

「鞘の中の父」 칼집속의 아버지
4月26日~5月12日 南山ドラマセンター
⇒韓国戯曲文学賞、大韓民国演劇大賞戯曲賞などの受賞歴がある女性劇作家コ・ヨンオクの新作戯曲。カン・リャンオン演出。

「青少年劇シリーズ 3篇」 푸청소녕극 시리즈 3편
5月17日~6月23日 ペク・ソンヒ チャン・ミンホ劇場/小劇場・幕
⇒昨年も同劇場で上演され、好評だった作品を再演。「少年はそうだ」「赤いバス」「レスリングシーズン」を上演。3作のなかで「レスリングシーズン」だけ見ましたが、レスリング部という斬新な設定と若手俳優の熱演でなかなか面白かったですよ^^

「I Am My Own Life」 
5月28日~6月29日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒ダグ・ライト作のオフブロードウェイ発作品を劇団・同(동)の代表カン・リャンウォン演出で初上演。日本では坂手洋二さんの「燐光群」が2010年に上演歴あり。

「青い日に」 푸르른 날에
5月 ペク・ソンヒ チャン・ミンホ劇場
⇒2011年初演。光州事件を背景にかつて恋人同士だった男女が、僧侶と信徒として再会する物語。

「アジア温泉」 아시아온천
6月12日~16日 芸術の殿堂CJトウォル劇場
⇒こちらも鄭義信の新作戯曲。韓国で年3本とは大忙しっすね^^; 韓国でも義信さんの作品は大人気です。演出は国立劇団の芸術監督ソン・ジチェク。韓国公演に先駆けて、5月新国立劇場で上演あり。

「模範生たち」 모범생들
6月~8月 大学路アートワンシアター
⇒同級生の結婚式で再会した進学校を卒業した男友達が当時を振り返るストーリー。超学歴社会の韓国の現実をよく切り取ってあります。昨年3度目の再演を半年にわたって行い、出演したフンナム(癒し系)俳優たちが人気でリピーターも続出しました。今年はどんなキャストになるでしょうか?

「ミルダンの誕生」 밀당의 탄생
7月~2014年2月 会場未定
⇒昨年の初演では人気俳優のソン・ドゥソプが主演してヒットし、現在も3回目のアンコール公演を上演中。ミルダンとは恋の駆け引き(押し引き)という意味。物語のベースはドラマ「薯童謠(ソドンヨ)」でもおなじみの百済のソドン王子と新羅のソンファ姫の恋物語。

夏のレパートリー「ヴォイツェック」 보이첵
7月3日~28日 明洞芸術劇場
⇒俳優のぺク・ウォンギルが演出を務める「はしごの動き研究所」が2001年に制作し、世界21カ国で上演された作品が、5年ぶりに韓国で公演。

夏のレパートリー「ヒューマン・コメディー」 휴먼 코미디
7月3日~28日 明洞芸術劇場
⇒劇団「はしごの動き研究所」によるコメディ作品。演出イム・ドワン。

「劇団白手狂夫レパートリーシリーズ」 극단 백수광부 레파토리 시리즈
7月25日~8月31日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒1996年に創立したイ・ソンヨル代表率いる劇団の代表作を集中上演。

「娘への手紙」 딸에게 보내는 펀지
8月9日~9月1日 明洞芸術劇場
⇒英国の劇作家アーノルド・ウェスカーの戯曲。

「鉱夫画家たち」 광부화가들
9月11日~10月14日 明洞芸術劇場
⇒「ビリー・エリオット」の作家リー・ホールによる戯曲。2010年の初演を見に行きましたが、その時はユン・ジェムン、クォン・ヘヒョ、ムン・ソリなど映画、ドラマ界でも活躍している有名俳優が多数出演していました。演出イ・サンウ。

「恋愛時代」 연애시대
9月~11月 大学路アートワンシアター
⇒韓国でドラマ化もされた故・野沢尚の原作を舞台化。2011年の初演はキム・ダヒョン、キム・スヒョンらが出演していました。

「ドクター・プロスト」 닥터 프로스트
9月~11月 大学路自由劇場
⇒NAVERで連載された同名インターネット・コミックが原作。天才心理学者、ドクターフロストの活躍を描く物語だそーです。イケメン俳優が主演したら若い観客がいっぱい来そうです^^

「戦場を盗んだ女たち」 전쟁터를 훔친 여인들
9月 国立劇場 タルオルム劇場
⇒デビュー2作目で韓国演劇界の権威である東亜演劇賞を20代で受賞し“怪物作家”と呼ばれている、キム・ジフン脚本家の新作。タルオルム劇場の再開第1作。演出は、キム脚本家も所属する演戯団コリぺのキム・グァンポ。昨年、彼が脚本を手がけた「風餐露宿(풍찬노숙)」という作品を見に行きましたが、難解なセリフが多くてチンプンカンプンながら(笑)なかなか面白い作品でした。

若い演出家シリーズ1「道化師の政治学」 젊은연출기시리즈1 릿광대의 정치학 
9月 国立劇場小劇場・幕
⇒作・演出は劇団ドリームプレー代表のキム・ジェヨプ。

若い演出家シリーズ2「夜の演劇」 젊은연출기시리즈2 밤의 연극 
10月 国立劇場小劇場・幕
⇒作・演出は「タンポポ風になって」「エクウス」など演劇熱戦の演出で知られるキム・ナギョン。

「テンペスト」 템페스트
10月1日~3日 LGアートセンター
⇒ロシアチェーホフ国際演劇フェスティバル制作作品の来韓公演。演出は英国の演出家/映画監督のデクラン・ドネラン。

「ワーニャおじさん」 바냐아저씨
10月26日~11月24日 明洞芸術劇場
⇒チェーホフの有名戯曲ですね。演出イ・ソンヨル。

「ザ・コロス:オイディプス」 늘더 코러스:오이디푸스
10月9日~20日 LGアートセンター
⇒ソ・ジェヒョン演出、チェ・ウジョン作曲の音楽劇。

「恵慶宮 洪氏」 헤경궁 홍씨
10月 国立劇場タルオルム劇場
⇒朝鮮王朝21代王英祖(ヨンジョ)によって処刑された息子、思悼世子(サドセジャ)の正室が洪氏。のちにドラマ「イ・サン」でおなじみ、22代王、正祖(チョンジョ)の母となる人ですね。脚本は演戯団コリぺ代表イ・ユンテク、イ・ビョンフン演出。

「かもめ」 카모메
10月1日~11月9日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒チェーホフの代表的戯曲「かもめ」(韓国語は갈매기)を、ソン・ギウン脚色、「東京デスロック」の多田淳之介演出で上演。

「ピローマン」 필로우맨
11月 忠武アートホール 中劇場ブラック
⇒英国の劇作家マーティン・マクドナーの戯曲。日本では2004年に長塚圭史演出で上演。韓国初演は2007年にチェ・ミンシク、ユン・ジェムンら豪華キャストでした。昨年の5年ぶりの再演はキム・ジュンウォン、ソン・ジュンハクら実力派俳優たちの熱演に圧倒されました! 今年も同じキャストだといいなー。

「ドゥサンアートセンター レパートリー」 
11月26日~12月29日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒韓国の財閥の1つ、斗山グループが所有する複合芸術施設「ドゥサンアートセンター」。硬派な作品セレクトで国内外で評価の高い作品を上演しています。日本や海外の演出家を招聘した作品も多いのですが、どんな作品を再演してくれるのか楽しみです。

「キルマジェの人たち 3部作」 길마재 사람들 3부작
11月~12月 国立劇場 タルオルム劇場
⇒길마재(キルマジェ)とはソウル市西大門区にある地名だそうですが、1部「三水甲山(삼수갑산)」、2部「無常千里(무정천리)」、3部「落花流水(낙화유수)」の3章に分かれているそうです。ペ・サムシク作、ソン・ジチェク(劇団美醜代表/国立劇団芸術監督)演出。

「客」 손님 
12月 国立劇場小劇場・幕
⇒ファン・ソギョン原作、イ・ビョンフン演出。

「蜘蛛女のキス」 거미여인의 키스
2013年下半期 劇場未定
⇒同名小説を原作にしたウィリアム・ハート主演の映画が80年代にヒットしました。日本版の演劇は村井国夫&岡本健一の初演が話題になりましたよね。韓国版はチョン・ソンファ×チェ・ジェウン、パク・ウンテ×キム・スンデという豪華キャストで上演された2011年版がなかなか素晴らしかったです。

「クローサー」 클로져
2013年下半期 劇場未定
⇒2005年の初演には今や映画俳優になってしまったパク・ヒスンらが主演。2010年版はオム・ギジュンと演劇初挑戦となったムン・グニョンの共演が話題となりました。当時はキジュン氏が「タイプの女性はムン・グニョン」と発言して大騒ぎとなったりしてましたが(笑)、さて今年はどんなキャストに!?

「百年、風の仲間たち」 백년, 바람의 동료들
2014年3月9日~3月16日 ドゥサンアートセンターSpace111
⇒新宿梁山泊の金守珍が2011年に同会場で初演した作品が約3年ぶりに再演。日韓併合100年を迎えた2010年の大阪を舞台に、在日韓国人たちの日常と歴史を綴った作品。

「ヴィーナス・イン・ファー」 Venus in fur
上演期間未定 劇場未定
⇒ミュージカル・ヘブンのラインナップに入っていたブロードウェイ発の演劇。舞台演出家と女優が主人公の2人芝居のようです。ロマン・ポランスキー監督が映画化するそうな。

「フロイトの最後のセッション」 Fleud's Last Session 
上演期間未定 劇場未定
⇒これもミュージカル・ヘブンのラインナップに入っていたオフブロードウェイ演劇。伝説の精神科医フロイトと英国人学者・作家のC.S.ルイスの架空の会談を描いたもの。

「ステディ・レイン」 A Steady Rain 
12月 忠武アートホール 中劇場ブラック
⇒これもミュージカル・ヘブンのラインナップに入っていたブロードウェイ演劇。なーんと2009年に「レ・ミゼラブル」のヒュー・ジャックマンと「007」シリーズの最新ボンド、ダニエル・クレイグが共演してたらしいです。今じゃ絶対ありえーんという豪華キャスティング。当時ご覧になった方によると親友の警察官2人に起こる悲劇を描く台詞劇なんだそうです。さて、韓国版を誰が演じるんでしょうか?

はい、演劇も今年は面白そうなの揃ってます。
←とくにミュージカル・ヘブン(NO NAME THEATRE COMPANY)の作品は、全部年内に上演できたらかなりヤバいことになりますね^^ さすが、作品性を重視しているカンパニーだけのことはあります。
 このラインナップに上がらないくても大学路の小劇場などでは、実質的にはこの2倍以上の数の演劇が上演されています。先日も、知人に紹介されて見に行った小劇場演劇はチケット代2万ウォンでしたが、かなり面白かった!
 こんな風に、無名の俳優が出ていても面白い作品がいっぱいあります。しかもかなり安いチケット代で見ることができますので、気になる作品があれば、どんどん劇場に行ってみてほしいと思います。

↓参考までに、NEWS CULTUREに出ていた記事。

2013年期待される演劇ベスト10

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